昨日のだけど……

ラスク:
 皆早いや……
 九十に乗ってないから、無理だろうな。

九十点を超える通過者の撃破点を見ながら、ラスクは、自分で決めつける。が、実際に、自分がそのボーダーラインを引き上げる立場になっているとは予想もしていなかった。

ラスク:
 ……!? 八十九・五五。ぼくだ

撃破点でコロセウム進出枠の四位にすべり込んだことが、予想外だったために、通過との声を聞いてぽかんとしてしまう。が、いつまでも、ぽかんとしているわけにも行かなかった。

――コロセウムに到達するのは賢者の方が多いに決まってるんだから。

以前、ユリに言われたことを思い出して、深呼吸。そして、自分の居るランクを思い出す。

ラスク:
――今、ケルベロスにいるんだから、賢者しかいないよね。

その場に勝ちのこったなかで、自分が一番段位が低いことを棚に上げて、ラスクは溜息を吐く。

ラスク:
――メダルが獲れれば儲けモノ。

と自分に言い聞かせて、トパーズ・カテゴリー2のメダリオンを手に取る。

ラスク:
 !? 賢王杯?

と、驚きの余りつぶやいてしまう。冷静になって考え直してみれば、そんな称号を持った人が居たような気がする。

ラスク:
 欲しいけど……入れたらめっけもの。
 とにかく、諦めない……それだけ。



アメリア:
 お疲れ様。
ラスク:
 ……まさか、コロセウムまで進めただけでも儲けモノだったのに。
アメリア:
 かも知れないわね。で、判っていると思うけど、はい。ブロンズ相当だけど、メダルはメダルだからね。
 賢王メダル。
ラスク:
 でも……なんか、譲られたような……
 ぼくだけ、撃破できなかったのもいたのに……
アメリア:
 気にしないの。様子をみてたけど、ラスク君が選んだトパーズ・カテゴリー2では、ちゃんと撃破側にたった事もあったじゃない。そういうのの積み重ねで勝敗が決まるんだから。
 風が吹いた、と思っておきなさい。
 で、どうする? もう一回戦っていく?

アメリアの問いかけに、ラスクは、首を振って応えた。

ラスク:
 今日は、もう帰ります。ユリに報告もしたいし。
アメリア:
 そ。それじゃ、お疲れ様。

……初めてのケルでの四人決勝、初めてのケルでのイベント成立*1、四人決勝という意味での初めてのメダル、と初めて尽くし。
なんだけど、セリオス使いの人に「譲られた」感があるんだよなぁ。あの時の決勝は。
だって、シャルルの法則なんて、易問でしょ? どっちかと言えば。当時はね、「ヤッタ」って思ったけど、冷静になってから考えてみると、「……譲られたんじゃねーの?」って気になる一問だったのさね。
ぃゃ、そんなこと考えずに、喜ぶ方が良いのかも知れないけど……正直、複雑な気分になったのですよ。点数的には、1点未満だった、ってのも影響してねぇ……(遠い目)

そう言えば、タイガ兄ちゃんの上級昇格の小咄も済ませてなかったな……宿題たまってきてますぞ? orzなんとか消化していきます。はい。

*1:それが賢王杯って言うんだから、つくづく縁があるようで