昨夜の一戦、見てたんだけど……最初は、めまぐるしく変わる攻守に、頭がついていかなくて、「これは……無理。美乃梨さん、無理難題過ぎ」って思ってたんだけど……
最後の最後に……あんな場面がやってくるとは……
んなワケで、流れ的には、昨日の小咄の続き、ってことで。
25:50
後半開始50分後。 提示されたロスタイムは既に消化されていたが、その直前。まさに、最後の最後で、サッカルーに降りかかったささやかな不幸が、一つの形になろうとしていた。 なんとなく、いやな予感がしていたラスクは、それが止められることを祈っていたのだが…… 「うそ……」 「やったー!」 アズーリに献上してしまったPKが、サッカルーのゴールネットを揺らしたのだ。 二人の表情が、正反対になる。アズーリのカテナチオと呼ばれる、堅牢な守りからのカウンターを巧みにかわしていたサッカルーの姿に、選ばされていたラスクとしては、このまま延長・PK戦になるだろうと予想していた。 だけに、その結末に、微動だにできなくなる。 「さてと、約束だったよね?」 「な、なんのこと?」 ラスクとしては、スカートをめくった罪悪感もあり、惚けてしまいたいのだが、言い出した当の本人が、それを許すはずがないことぐらい、承知していた。 「負けた方は、勝った方の言うことを一つ聞く、だったよね?」 「そ、そんな約束したっけ?」 との惚けるような確認の問いかけを無視して、ユリは賭けの対価をラスクに突きつけた。 「だから、今晩は、抱き枕なしね」 「え゛?」 「その程度?」と言うつもりは毛頭無かった。何故なら、自分が印刷されたカバー憑きの抱き枕を買わせた最大の要因が、今回の賭けを持ち込んだユリに在ったからだ。 「じょ、冗談、だよね?」 「冗談なんかで言うわけ無いじゃない」 顔は笑っているが……声が、笑っていない。 「ラスクさ、面白いこと言ったよね? 『江戸の敵を長崎で討つ』だったっけ? それで、キスするぐらいだったら、こんなこと言うつもりはなかったんだけどさ……」 「人のスカートめくっといて、それはないよね?」 「で、でも、姉さんの前では」 「クリスは、同性だよね?」 「僕は?」 「ラスクは特別だよね?」 ラスクの反論を一つ一つ潰すように反問し、追いつめていく。 「タイガさんが居たから?」 「いえーす」 と答えると、腰を浮かそうとしたラスクの手を掴み逃がすまいとする。 「あ、え、あ、あの、えーっと……」 「キスするときは、人目に付かない場所で、ってするくせに、どうしてスカートは人前でめくるの!」 「人前って、タイガさんしか居なかったじゃ……あぐ」 「そんな言い訳、通ると思ったかー!」 締め付けるように抱き留めるユリの手を必死の形相でタップするが、ユリは意に介してないようだった。
何かいてんだかなぁ……(汗)
けど、あの場面を見た瞬間に、「これだ!」と閃いたのは事実。その前に見た、イングランド・ベッカムのFKの見事さに、立ちつくしたけど……今回切り取ってみた場面は、アレを上回るインパクトがあった。