書き上げてしまおう、書き上げてしまおう、と思ってはいるモノの、中々に筆が進んでくれない一つの話。それも、ようやく峠を越せそうな雰囲気なので、自分を追い込む意味でも、ネタとして書き出してみる。
「なぁ……おっさん」 「なんだ?」 「俺ら、近くに居りすぎたんかな?」 「貴殿としてはどうしたいんだ?」 「ラスクも、ユリも、大事なんや…… できれば、今の関係、壊したない……」 「だろうな」 「……判っとったんかい」 「大方結論は出ているのではないか?」 「結論って、なんや?」 「順番が入れ替わってしまっただけのことだ。思い残すことなく『終わる』ためのきっかけが欲しかったのだろう?」 「……なんで、そうやと言えるんや?」 「貴殿を見ていれば判る」 ――自分に決着を付けるための負け戦。 「負け犬になれって言うんか?」 「そんな貴殿を、負け犬と呼んでいいのは、ラスク殿だけだな。それに、吾輩としては、そんな貴殿の強さが羨ましく思えるがな」 「やりにくいおっさんやな……普段は、勝った拍子に、『弱者はここから即刻去りたまえ』とか吐かしとるくせに」 「あれは、吾輩の本心だ」 「言動不一致ちゃうんかい?」 「吾輩に負けた程度で、ここを去る程度の者なら、『弱者』でしかなかろう。それに、」 「それに?」 「貴殿は、前に進むために負けるのだ。弱いから負けているわけではない。しっかり負けて、また、顔を上げればいい」 「励ましとるつもりかい?」 「背中を押してるつもりだ」
終わってしまった想いに、決着を付けるための物語。
『たまには泣いてもいいですか? 〜CHILDHOOD'S END』
近日公開予定*1。
*1:『予定は、未定にして、決定に非ず』(コラ