ザ・小咄。

♪ある〜ひ、きょうしつで〜

ユリとは時間差、遅れて教室に戻ったラスクに、アロエがかけよる。

アロエ:ラスク、ラスク。何処行ってたの?
ラスク:ア、アロエちゃんには関係ないだろ。
アロエ:ユリさん、教えてくれないんだもの。
ラスク:なんで、そこでユリさんが出てくるのさ?
アロエ:だって、二人で出てって、二人で帰ってきたじゃない。二人は妖しい、って皆言ってるよ?
ラスク:噂だよ。噂。単なる、う・わ・さ。
アロエ:ふ〜ん…… ルキアお姉ちゃん。ラスクとユリさん、キスしてたんだって。

教室、別の意味で、どっと騒ぎ。実際に降ってきたワケじゃないけど、ラスクとしては、金だらいが脳天直撃したような気分。騒ぎに乗らず、純情そうに、本を読んでいたクララの眼鏡の奥が、獲物を見つけたとばかりに、一瞬光る。

クララ:ktkr......

購買部にて

ラスク:
 姉さん、姉さん
クリス(購買部のがま口娘):(ノ*゜▽゜*)
 いらっしゃいませ〜。今日は、何が必要ですか?
ラスク:
 営業スマイルだけは、絶対忘れないんだ……
クリス:(−△−)
 何? 今日は、客として? それとも、ダベリ?
ラスク:
 一応、客として……
 この前、ユリ……
クリス:
 どっちでもいいんじゃない? 他に人は居ないけど、本人居るわけでもないし。あんたの呼びたいように呼べば。
ラスク:
 ユリさんが泊まりに来たときに、「ほんものらすく」って訳の判んないこと言ったんだ。で……力一杯締め上げられて……
クリス:
 それだったら、こちらなんていかがでしょう?
――まるで準備していたかのように、待たせることなく取り出した枕カバーを拡げてみせる。
ラスク:(−д−;)
 ……なんで、こんなモノが有るの?
――枕カバーを見た瞬間に、唖然とするラスク。どういう訳か、自分の寝相が、ばっちりプリントされていたからだ。
クリス:
 決まってるじゃない。注文があったから。
 で、この枕カバーだけど、一応リバーシブルになってて……
――いくら、ラスクがクラスの中で一番小さいとは言え、その等身大アイテムともなれば、結構な大きさになる。悪戦苦闘しながら、クリスがカバーの裏面を露わにした瞬間、ラスクは呆然とした。先刻の寝相もさることながら、それを上回るレベルで、原画の入手経路を問い詰めたくなる絵柄が、そこにあったからだ。
クリス:
 これに関しては、まだ本人には説明してないから、安心して。
――自分の裸が、何故か描かれている。
ラスク:(−△−)
 ……こんなの準備しても、ユリさん、喜ばないと思うよ。
クリス:
 そっかなぁ? 私は、無いよりは有る方が良いと思ったから、リバーシブルにしてみたんだけど。
ラスク:
 そういう発注の少し斜め上を行くような製品作り止めた方が良いと思うんだけど。
クリス:
 で、どうするの? 買うの?
ラスク:
 できれば、これに収まる抱き枕も……
クリス:(ノ*゜▽゜*)
 毎度ありがとうございます。

夜半の俺、ダメだ……いろんなところが暴走してる。⊂⌒~⊃。Д。)⊃