……なんつうか、さ。リアルできな臭くなってきたわけよ。

自分の周辺が。まぁさ、考え方を変えれば、乗り越える力を内包しているから、こういう形で降って湧いてくる、って見方も出来るんだけどね。
お天道様は、乗り越える力を持ってない者には障害を与えないんだから。
よく判んない? まー、ここはザレゴトだから、聞き流しといて(笑)。
さてさて、毎度の前口上。
おさらいがてらまとめた記述は、00年2月1日に。今のパートは、月曜日に始まったばかりなんで、どうにでも。でも、この話全体の頭は、5月1日から。んでは、時間が遅々として進まない物語をどうぞ。

幕間#3・私が一番聞きたい話#2

<-『幕間#3・私が一番聞きたい話#1』

「それにさ、言い出しっぺの法則ってのもあるから、私から始めるべきだとは思うのよね」
 「呼びかけた本人や、発起人が、まず為せ」というルールのことを言いたいからなのか、肩すかしを食らった格好になったユリや他の面々の様子など意に介さずに、事を進め始めた。
「やっぱ、はじめて、なんだから、それなりに場面とかもさ、大事にしたいよね。時間帯はさ、お決まりの夕暮れどき。公園のベンチもいいけど、教室なんてのも捨てがたいよねぇ」
 と、身をよじらせそうな勢いで、彼女にとっての理想のファーストキスシーンという奴を述べ上げている。と、
「ルキアには、廊下の角での事故がお似合いネ。リディア先生とかとの」
 ヤンヤン冷や水をぶっ掛けるような相の手を入れる。
「リディア先生って……ルキアさんに恨みでもあるんですか?」
 とは、クララの言葉だが、ヤンヤンが、彼女に答えるよりも速く、ルキアが割って入った。
「ちょっとぉ、どうして、レオンとかじゃなくて、先生になるのよ」
「ミランダ先生の方が良かったアルか?」
「そうじゃなくて!」
「そういう気分だったアル」
 ルキアが言わんとしていたことを酌み取ったからなのか、ヤンヤンの言葉は、非常に判りやすいものと言うことが出来た。
「ったく…… なら、ヤンヤンは、どういうシーンだったら、良いとか思ってるの?」
「そんなこと考えてるヒマ無いネ」
 とキッパリ答えると、何事かやり残したことを思い出したかのように表情が曇っていく。
「〆切の方が大事ネ…… 〆切守れないと、クリス、容赦なくカットするね」
 彼女の曇った表情と、クリスとの言葉に、ルキアは軽く罪悪感を覚えた。
「購買部のバイトやってるんだ…… それじゃ、考える余裕なんて無いか」
 とつぶやいたところで、ルキアは、次に話題を振るべきだろう相手を物色する。と、相方とも言える、アロエと目が逢うが、
「アロエちゃんには、まだ早いだろうしね」
 と切って捨てた。言われたアロエとしては、同じ飛び級組とも言えるラスクと、自分とで扱いが違っているような気がして、むくれてみせる。
 ユリは、今夜の主菜なので、まだ指名するわけにはいかない……のだが、その近くで、何事かシミュレーション(妄想)していたのか、真っ赤になって頭をぶんぶん振っているクララの様子が目に止まった。
「ちょ、クララ? クララ。おーい、クララさーん」
 と呼びかけては見るものの、どっぷりと浸かっているのか、ルキアの呼びかけの声も聞こえない様子だった。思わず、呆れ調子の溜息が漏れてしまう。
「それじゃ、ユリを除いて、一番最後にするか」

To be continued... -> 『幕間#3・私が一番聞きたい話#3』

えーっと、ヤンヤンが神楽チックなのは仕様です。(マテ
なので、大原さやかより釘宮理恵の方が似合う台詞回しくさいです。(カエレ