一応、この次にあたる部分はすぐに出せると思うけど、そっから先は……時間かかる……orz
運び決まりきってねーよー……派手に時間を吹っ飛ばすか、無理を感じさせない程度に飛ばすか……
ちっ……
先送りしてきやがったか。ま、いいや。ここでの解釈は、これで行くから(謎)。
ラスク・Pre-Expert#2
<- 『ラスク・Pre-Expert #1』 ラスクにとって、『それ』は、未だ「想い出」として昇華できたわけではない。今の彼は、確かに、それを気付かせないように、気付かれないように振る舞うことができるようになった。が、ちょっとした油断で、『それ』は表情としてあふれ出しそうな恐怖がついて回っていた。 本来、いや、一般的なら、彼はまだ庇護の下にあることが当然で、また、二人のぬくもりは、自分たちのところから離れていたとしても、最終的にはもどってくることが、当然だったはずなのだ。 彼女の家で、姉と共に暮らしていたのは、もどってくることを待つためだった。が、待てど、暮らせど、迎えにくる気配はなく、何時の頃からか、手紙も途絶えた。 彼女の両親は、辛くあたることはなかった。そう。二人と同じぐらい、慈しんでくれた。が、彼女の父親は、突然、人が変わった。彼が知ろうとすること、いや、知りすぎることを恐れているように映った。何かがあったのか、彼女は、父親に反発することが増えた。姉は、何故か、彼女の父親の手伝いをするようになっていた。 そして、自分は、父親の制止を振り切った彼女と共に、このアカデミーに入学していた。 ――僕も、いつか……賢者になるんだ。 彼女の言葉を繰り返すように、そう言い聞かせて。 「で、どないするんや、ラスク?」 音符を飛ばしながら、半強制的に参加者を集めているルキアを、きょとんと見送っていたユリとシャロンの隙を突いて、教室の外に出たラスクを、タイガが待ちかまえていた。 「しばらく、トーナメントに集中しようと思ってるんだけど」 「お前さんも、いよいよ上級魔術士か」 「まだ、判んないよ」 うんざりしたような表情を浮かべて、タイガの言葉に応える。 「そうでなくても、マルチアンス(一問多答)が出てくるのに」 「何や、そんに苦手なんか?」 「予選第一セットに出たら、『おちる』って思うぐらい……」 「そら、相当やな」 ラスクのゲンナリとした態度から、属(ジャンル)に対する苦手意識よりも、種(カテゴリー)に対する苦手意識を強くもっているように、タイガにはみてとれた。 「別に、降(お)ちてもホビットだから、すぐに戻れるけど……」 「随分大きく出るやないか?」 「恥ずかしいんだよね……なんとなく」 苦笑いを浮かべてのラスクの言葉に、気持ちを和らげるつもりで、タイガは、以前にユリから聞かされた戦績の話を持ち出した。 「ユリは、何度か降(お)ちとったはずやぞ?」 「つまんないって、言ってたじゃない」 「よう覚えとるな」 「降(お)ちたことがないから判んないけど」 「認定が降りなかった」と地団駄をふむ生徒をタイガは見たことがある。彼自身、在籍はしているものの、トーナメントに顔を出さないたちなので、称号昇格の速度は、他の生徒たちに比べると遅い。そのために、彼らの悔しさを理解することができない、と割り切っている。 「まぁ、気楽にいっとけや。Take it easyって言うやろ」 「……そう、だね。よし」 「気合い入ってきたな?」 「ユリさんに言っといて、近いうちに追いつくから、って」 「気をつけてな」 「わかった」 To be continued...-> 『ラスク・Pre-Expert #3』