こいつで多分、修正できる……はずッ!

推敲したら、修正したくなって、修正したら、流れが分岐しちゃって、ますます進行が滞って、進行が滞ると、推敲したくなって……
と言う、悪循環にとっ捕まりそうになったものの……なんとか、今日の分で本流に戻せるはず。(ぉぃ

ラスク・Pre-Expert #4

<- 『ラスク・Pre-Expert #3』
「けど、お前ら、意外なところに共通点有ったな」
 ユリにからかわれる格好になって、へそを曲げたタイガではあったが、これが彼女の癖だったと思いなおし、多少は機嫌を直して、二人の口からそれぞれに出た共通項の存在をにおわせた。
「どういう意味?」
 意味が判らない、と言う態度を覗かせたユリに、タイガが言葉を繋ぐ。
「ラスクもな、マルチは苦手や、って言うてたからな」
「だとしたら、今が正念場、ってところかもね」
 と、ユリがつぶやいたところで、二人の脇をシャロンが立ち去っていった。
「あれ? シャロン、何処行くの?」
「購買部ですわ」
「へぇ……シャロンでも買い物すること有るんだ」
 振り向きもせずに目的地を応えた彼女へのユリの感想が、タイガには的はずれなものに聞こえた。
「ちょーっと、ちゃう気もするけどな」


「クリス、ちょっと良いかしら?」
「どうしたんですか、お嬢様?」
「単刀直入に申しておきます。
 ラスクが、中級魔術士一級になりました。それから、今夜は戻りませんから。ラスクのところに行ってあげなさい」
「え? 良いんですか?」
「『報告』も、有るんじゃなくて?」
 シャロンの口から、「報告」との言葉を聞いたところで、クリスが複雑な表情を覗かせた。
「その事なんですけど」
「どうしたんですの?」
「そろそろ、私と一緒に行くのは終わりにさせようかな、って」
 クリスの言葉が、シャロンには理解できなかった。
「どうして? あの子は、まだ」
「いいえ」
 シャロンの言葉を、クリスが遮る。
「ラスクは、もう、このアカデミーの生徒。シャロンお嬢様。あなたと同じ立場です」
 静かに言い切った彼女の姿が、自分よりも年少のはずなのに、シャロンには年上に見えた。
「それに、『今回』のことで、きっと、ユリさんにも話す必要が出てくると思います。それに、」
「それに?」
「お嬢様、ラスクは、ユリさんの誘いを断ったのではありませんか?」
 まるで、見たようなクリスの物言いに、シャロンは返す言葉を見つけられなかった。
「だから、今夜、部屋に戻れなくなった、と言うことでしょう?」
 シャロンの返事を待つことなく、彼女の状況を見透かすように言葉を続けて、クリスは、営業用の笑顔とは違う、感謝を込めた笑顔で、シャロンを見つめていた。
 シャロンにしてみれば、正直、気に入らない。が、それでも平静なままで居られるのは、クリスとのつきあいの長さゆえ、と言い換えることができるかも知れない。
 溜息と肩をすくめて、シャロンは、正面に佇んでいる付き人に言葉を投げ返した。
「ラスクはともかく、あなたも成長している、って事ですわね」
「お嬢様の知らないところで、ラスクも成長している思いますよ」
「そんなこと有るわけ無いじゃない。ラスクはラスクのまま。成長しているはずが……無いわけないわよね」
 シャロンのさみしげな呟きは、購買部の空気の中に溶けていった。
To be continued...->『ラスク・Pre-Expert #5』

……やりたい放題、ここに極まれり(滅)。
やっとこれで、ラスクがトーナメント一戦分終わらせたところ、まで時間が進むかどうかってところか。
……進行も遅ければ、劇中時間の進みも遅いね(汗)。