#10・『To the BORDER, It is 4 steps more.』#10

話が進んでると思ったら、脱線したり、脱線してるかと思ったら、話が進んでたり……
なんというか、予想GUY過ぎるのは、気のせいでしょうか?

しかし、ソフトバンクモバイルもさ……なんというか、はぐれものを攻撃しているCM作ってるよねぇ。あれで、締めくくりに、「ともだちは大切に」って……
それ、なんてマッチポンプ
いや、本気で思ったんでね。


スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
このパートは、最初のパートなんで、スタートの日が、パートの始まり。
では、本文。

To the BORDER, It is 4 steps more.#10

<- 『To the BORDER, It is 4 steps more.#9』

「らしくないですね?」
 ポツリともらしたクリスの言葉に、ユリがカチンと来たような素振りを覗かせる。
「後ろ向きで、落ち込んでるなんて」
「私だって、落ち込むときぐらいあるわよ」
 予想外だと言いたげなクリスの言葉に、抗議するようにユリが言葉を返す。
「ラスクが、ユリさんを追い抜いて、先に賢者になったなら、ユリさんが待つように頼めばいいじゃないですか」
「それじゃ……」
「多少遅れたからって、気分を害するような人達じゃないと思いますよ。それに、ここだけの話ですけどね」
 一旦、言葉を切り、ユリに耳打ちするように、クリスは言葉を繋ぐ。
「父さんも、ラスクみたいに飛び級でここに来たようなんです」
 クリスの言葉が引き金になって、シャロンから聞いたことにまで、思いが巡ってしまう。
「それだけじゃなくて、母さんの方が年上だったりするんですよ」
 と、ユリの反応を待ってはいなかったが嬉しそうな表情で、今の自分たちにそっくりな両親のなれそめも口にしている。
「それって……」
「父さん譲りなんでしょうね。あの子がませてるのも、あの子の才能も」
 思わず漏れたユリの返事に、クリスはしみじみと応えていた。
――そう言ってる、クリス。あなたもそうってことじゃない……


「カイルさん、どんな気持ちだったのかな?」
 ユリの採寸が終わるのを待つつもりで、椅子に腰掛けたラスクが、タイガに問いかける。
「どうしたんや、いきなり?」
 と、切り返しはしたものの、未だ初級の身の上のタイガに、その心情が判るはずがない。続ける言葉に、タイガが悩んでいると、
「賢者服の採寸を待つのって、どういう気分だったのかな、って」
 ラスクが言葉を補った。ラスクの言葉の裏に、賢者への昇格が間近に迫る不安が見え隠れしているようにタイガには聞こえた。
「俺には判らへんけど……」
 と正直に応えると、そのままラスクに質問を投げ返す。
「もうじき、親父っさんらと同じ肩書きになるってのは、どんな気分なんや?」
「まだ、実感わかないんだ……」
「んなこと言うても、この三週間で、星の数を、六つにしたんは事実やろ?」
 とタイガに聞かれ、ラスクも頷くしかできない。ラスクの返答を待っていたのか、頷いたのを確認すると、二人の級位に話を拡げていく。
「星の数まで、ユリと同じ。これで、名実共に追い着いた訳や」
「そう、だよね」
「素直に喜んどけ」
 ぽんと背中を押すように叩くと、
「お前ら二人は、笑とく方が似合ってんのやから」
 二人の憂いを吹き飛ばしたる、と言いたげに笑いかけていた。

「お疲れ様でした」
 とのクリスの言葉とともに、ユリがパーティションから姿を現した。
「で、出来るのはいつ頃になりそうなの?」
 ラスクに伝えるのも目的のうちにあったのか、ユリは、いつ頃来ればいいのか、と問いかけていた。
「この服は、賢者号を授かった後で取りに来てください」
 ユリの質問に対するクリスの返答は、素っ気ないと言えば、素っ気なかった。今回の採寸の目的が、いわゆる賢者服の仕立てのためだとするならば、採りに来るべき時期は自ずと決まってくる。
「そっか」
 と納得したようにつぶやくと、
「頑張らなきゃね、ラスク」
 と待たせていたラスクを、無理矢理抱き寄せる。
「そ、そうだね」
「なぁ……」
 戸惑っている様子のラスクをみて、タイガが呆れたように声をかける。
「もう少し、まわりのこと、気にできひんか?」
「タイガには、言われたくないわ」
「おまっ!!、それどないな意味やねん!?」

To be continued... -> 『To the BORDER, It is 3 steps more.#1』

ダベリ

少々尻切れトンボ風味かな? 普段より、増量でお送りしました。
コウセイリョクナサスギデスカ? ソウデスカ。orz

そうそう。トリッキーな話数表現になる、って言っていたのは、昨日と今日のサブタイトルを例に挙げて説明すると、最初は、昨日なら、『To the BORDER, It is...#9-4』。今日なら、『To the BORDER, It is...#10-4』って書き方をするつもりだったのですよ。これだと、いろいろと鬱陶しくなりそうだったんで、最終的に、今の表現に落ち着いた、とそういう感じ。

ってさ、このパートタイトルと、二人の級位、そして、本文を読んでる人なら、どうしてこういう表現にしたのか、ってバレてそうね。
ま、そんな感じで、今日は、そして、4級での話は、これにて終了。続きは、明日。次は……本文読んでる人なら、察しはつくだろうけど、取り敢えず内緒って方向で。