もうすぐあれですよ。『境界線』の49話を超えますよ?
……終わる気配がありゃしない。え? 前置きが長すぎた?
ぃうなよぅ
スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
ようやく、13th Oct.になりました。作中の時間は。なお、このセクションの始まりは、11日。一の位と、セクションの話数が一致してます。わほ。
ところで、第1話へのリンクって……必要?
では、本文。
Across the BORDER.YURI side.#6
<- 『Across the BORDER.YURI side.#5』 「我が弟子、ユリ=ポーラスター」 と気持ちを切り替えたのか、あっさりとアメリアが呼びかける。言い淀んだところがないのを見ると、相当長い時間、この言葉にこだわっていた事になる、とユリは判断した。 「はい」 と応えることも忘れない。 「汝が師、すなわち、我、アメリア=ポラリスは、積み重ねし修練が、汝を賢徒の高みに導いたと認め」 その言葉を待っていたかのように、九つ星のペガサス、つまり、昇格検定が近づいていることを示していたバッヂが燐光を放ち始める。 「アカデミーの伝統に則り、汝に『ポーラスター』の名を授け、その名を名乗ることをここに認める」 言葉が完成するのを待っていたのか、ユリのバッヂが、知恵の守護獣と呼び慣わすことが出来る、グリフォンのシルエットに変化していく。 「ポーラ、スター……ですか?」 確かめるように、ユリがアメリアに問いかけるが、アメリアの方は、さっきまでのかしこまった様子は、すっかりなりを潜め、普段の雰囲気の彼女がそこに佇んでいた。 「そ。ポーラスター」 控えめなユリの問いかけに、オウム返しで応えた後、アメリアが溜息を一つつく。 「でも、ユリちゃんのおかげで、カイル君やセリオス君が、空気を読んでくれている子たちって事がよく判ったわ」 と、苦笑いを浮かべながらも、嬉しそうに、 「一時はどうなるかと、冷や冷やしたんだけど、最後はキッチリ帳尻併せてきたわね」 アメリアは、ユリに言葉をかける。のだが、そのまま、愚痴が続いてしまう。 「まったくねぇ。訓練過程に入って一年近くになるって言うのに、まだ三人しかいないって…… 本当に困ったものだわ」 「あの、えっと、その……」 賢徒、つまり、賢者との冠を戴くに至った、とアメリアに告げられたものの、その実感が伴わないせいで、ユリとしても戸惑ってしまう。 「そうそう。いきなり、Cランク出しちゃって、ユニコーンに行ったりしないでよ?」 「いえ、そういう事じゃなくて」 「?」 珍しく言い淀むユリに、アメリアとしても首をかしげる以外に答えることができない。 「気になることがあるなら、今聞いて?」 「どうして、私にポーラスターって、名前が?」 「旅をするためには、標星が必要っことは知ってる?」 と、反問された格好になったユリも、コクリと頷く。 「私のポラリスだって、そうなのよ」 「でも、私に、それって……」 「ユリちゃんが、標星だからじゃない」 判りきった質問をするな、と言いたげにアメリアも応える。あまりにあっけらかんとしたアメリアの応えに、ユリもぽかんとしてしまう。が……心当たりがないわけでもない。 「ラスクの件、ですか?」 「ええ」 「でも、それだったら」「残念ながら、それはできない規則なの」 ユリが言わんとしたことを、真っ先にアメリアは封じた。 「気持ちは判らないでもないけど、まだ、ラスク君、昇格できてないから」 「それだったら、」 「昇格してもだーめ。返上には、まだ早いわ。でも、ラスク君が名乗ることを許されたら、長くなるけど、ポーラスターと一緒に名乗っても良いから、ね」 To be continued... -> 『Across the BORDER.YURI side.#7』
ダベリ
賢者昇格では、この場面が一番書きたかった部分かな。普段は弾けてるアメリア先生も、この場面では表情を引き締めて、的な。
さてと。って訳で、ユリに、正式に『ポーラスター』が授与されたわけですな。んなもんで、遠い将来、ユリがこの世を去ったときには、碑に『ユリ=ポーラスター』との名前が刻まれるわけですよ。
それじゃ、今日は、これぐらいで。続きは、また明日。
……今書いてる部分の割り振り、どうしよう。