さてと……お待たせしましたな。更新かけますよ。
って、ストックがいよいよ減ってきてるから、なんとかしないとマズいなぁ。
スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
年越しまたぐ、セクションになってしまいましたな。作中では、『その境界線』をまたいでないのに。このセクションの頭は、06/12/30から。
ところで、第1話へのリンクって……必要?
では、本文。
The BORDER of close at hand.#3
<- 『The BORDER of close at hand.#2』 「まぁね。修練で到達するには、どれほどの回数を参加しなきゃいけないのか、考えるだけで気が遠くなる高みなもんだから、贈り名みたいな称号だしね」 「そう考えると、レオンさんのお父様って相当な方なんですね」 「そうね……」 と、クリスの言葉に、噛みしめるように応えると、購買室に沈黙が訪れる。 「ところで、ユリさんの名前、もう決めたんですか?」 沈黙を破るように、クリスが問いかける。いずれ封じられる形になるとは言え、彼女には受け継ぐ名前がある以上、ユリがいずれ名乗るようになる名前を知る必要はないのだが。 「やっぱり、気になる?」 「気が早いかも知れませんけど、妹になるかも知れない人ですからね」 「……本当に、随分気の早い話ね」 と、クリスの言葉に呆れはしたものの、アメリアも、少しだけ気を良くして、口にする。 「ラスク君とのこともあってね、ラスク君の道標になってあげて欲しいから、私の『ポラリス』をもじって、『ポーラスター』にしようと思ってるの」 「ポーラスター、ですか」 と、アメリアの口から出た言葉を、クリスも反芻した後、いずれ名乗ることになるだろう、その名を改めて口にしてみる。 「ユリ=ポーラスター…… いい名前ですね」 響きが気に入ったのか、クリスの表情がほころぶ。 「でしょ? でしょ?」 クリスの反応が、嬉しかったのか、今にも、彼女の手を取って、むやみに大きく降り出しそうな勢いだ。 「ラスク君もさ、ユリちゃんがいたからこそ、あそこまで立ち直れたと思うんだ。そういう意味では、彼女に、ぴったりの名前だと思わない?」 「え、ええ」 自画自賛のような勢いのアメリアに圧倒されてしまい、似合っているかどうか、と言うところまで考える余裕が無くなってしまっていた。 「でね、私としても、はやく授けてあげたいんだけど……」 「検定、ですか?」 クリスの問いかけに、アメリアは、首を振って応える。 「ううん。そっちよりも、参加回数のほうかな……」 「繰り返しになっちゃうけど、二人とも、帳尻併せるのが巧いから、心配ないんだろうけど」 「二人には、二人のペースがあるんですよ」 「そうは言うけど、そうでなくても、私のクラスには、タイガ君って問題児もいるから」 「問題児、ですか?」 採寸の時に、付き添いとしてここを訪れたタイガの様子とは、まったく違う印象のアメリアの言葉に、クリスは、聞き返してしまう。 「だって、この時期になっても、まだ初級魔術士なのよ? フェスタも、未だポーン。これじゃまるで、私がサボるのを認めてるみたいでさ……」 「そういう意味での問題児ですか」 納得したとのクリスの言葉に、アメリアは溜息混じりに頷くと、ぼやきが漏れた。 「フェアリーなんて、最初の一回っきり。エルフに出られるだけの実力もあるって言うのに……」 To be continued... -> 『The BORDER of close at hand.#4』
ダベリ
本文を読めば判るように、お年玉代わりに、いっちょネタバレかましましたよ?
……って、作中に登場するのは、ネタバレになんのか? ま、いいや。考えんの止め。
えーっと、これで、この話のサブタイトルの「標星」の意味も判ったかと。って、或る程度、予想付いてると思うけどね。ラスクには、エンライトン(Enlighten)、つまり、「啓蒙するもの」との名を与え、それに対するように、「標星」との名を与えたのも伊達じゃないんだからさ。
さて、今日のところは、ここまで。続きは、また明日。
……一応、新年の挨拶とかしてみたけど、この話を追いかけている人にとっては、これが片付くまでは、年明けてないかもしんないね(汗)。