『越境〜光もたらすものと標星〜』#08

ストックはねぇ……増えるようでふえんのよ。これが(苦笑)。現在作業中なのは、第19話……かな? だから、都合……10日分かな。ストックがあるのは。


スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
このパートは、最初のパートなんで、スタートの日が、パートの始まり。
では、本文。

To the BORDER, It is 4 steps more.#8

<- 『To the BORDER, It is 4 steps more.#7』

「まだ、俺も居った方がええんか?」
 残される格好になって、椅子に腰掛けて、ラスクの採寸が終わるのを待っていたタイガが、ユリに問いかけた。
「どうしたのよ、突然?」
 予想外といえば、予想外のタイガの質問に、逆に問い返すことでしかユリには応えることができなかった。
「いや、この前、アメジスト(学問)でコンプリート決めたやろ?」
「あの時も、フォート(二択、又は、○×)だったっけ」
 ラスクが魔導士号を授かって、一週間ほど経過した頃のことだ。とあるトーナメントの予選第二セット・アメジストフォートで、二度目のコンプリートスレイを達成したのだ。
 とは言うものの、それに続いたトパーズ・オール(雑学・ランダム5)では、些細なミスから一体撃破しそこね、それが最後まで影を落とす結果になった。タイガが切り出したのは、この一戦のことだ。
「あいつは、あんとき、楽なのが立て続けだったから、なんて言うとったが」
「あの時、ラスクと同じようにコンプリート決めてたの、賢者の人達だったんだよね」
 ラスクの言葉を借りれば、対処しやすい模擬体が召喚された、らしいが、この時、同様にコンプリートを達成し、セットトップ候補となっていたラスク以外の参加者の階級は、賢者だった。
 この時のラスクのバッヂは、ペガサスの二つ星。つまり、大魔導士八級という階級だったために、結果的に、もっとも階級の低いラスクが、セットトップの誉を受けることになった。
「充分、自信回復しとる、様に見えるんやけどな」
「本当に、回復できてると思う?」
 タイガの言葉に、ユリが反論の言葉を投げ返す。
「ラスクは、魔導士号、って言ってるけど、先生たちが私たちにくれた称号は、『大魔導士』。上級になるまでと、同じぐらいの交戦経験を積んで初めて貰える称号なんだから、胸を張って名乗ればいいじゃない?」
 と、自分の考えを言葉にしながらも、
「なのに、ラスクってば……どうしても、『大』を付けることができないから」
 ラスクの口から、『大魔導士』との呼び名が出ないことに不満を漏らした。
「とか言うわりに、お前も、その肩書きを使わんな」
「良いじゃない、別に」
 口を尖らせたユリの言葉に、タイガは溜息をついて、こう続けた。
「もうしばらく、目を光らせた方がええってことか」
「ごめん……」
 自分が言わんとしていたことを、先回りするようなタイガの言葉に、ユリは感謝する以外できなかった。
「気にすんな、気にすんな。ただな、お前らのそばに居るのがイヤになったから、あんなことを言うたわけやないんや」
「なら、なんで?」
「お前ら、もうじき賢者やろ?」
 確かめるような言葉に、ユリもただ頷くしかない。それを確認すると、タイガは、言葉を続けた。
「俺とは、違う世界を見ることになるはずや。そんとき、お前らのそばに居るのが、俺でええんかな、って気がしてな」
「相変わらず、優しいんだね」
 タイガの言葉を聞いて、微笑みながら、ユリが言葉を返す。
「あほ。優しいわけやない」
 と、面と向かって恥ずかしいことを言われてしまい、視線を逸らしながら、言葉を続けた。
「無責任なこと、言いたないだけや」
 タイガに聞こえないように、ユリは、「それが優しいって言うの」とつぶやいていた。

 彼女の呟きが、部屋に溶けるのをまっていたわけでもないのだろうが、クリスに背中を押されるように、ラスクが採寸のための設けられたパーティションから姿を現した。
「それじゃ、ユリさん。お願いできますか?」
 採寸が終われば用済み、と言いたげな態度で、クリスがパーティションから顔を覗かせる。
「私の番?」
 と、確認するように問いかけると、クリスも、頷いて答えた。

To be continued... -> 『To the BORDER, It is 4 steps more.#9』

ダベリ

昨日とはうってかわって、タイガ兄ちゃん・真面目モードで。
本文中で使われている表現と、現実との間で乖離しているな、と思った部分は極力説明を付けるようにはしているんだけど……最初の一回だけで良いよね? 補足的な注釈は。
とかなんとか。

さてと。今日の部分でようやく、一人分の採寸が終わりました、と。採寸は、もう一人残っていますから、明日は、その方向で。とは言うても、毎度のように、採寸作業に取りかかっているのか、いないのか、って状況で話は進んでるんだけどさ。だって、端折っているけどさ、実際に計っている場面は要らんでしょ? クリスにとってのユリはどういう存在なのかって、既に表明しているし。ここにそう言うのを求めている人は、来ないだろうし*1さ。

さてと、今日は、こんなところで。続きは、また明日。

*1:「ぃゃ、求めてるぞ」って人は、拍手でも叩いといて。って、叩いたところで、なーんも変わらんけどね(ヒドイ)