#24・『Break the Wall 2nd Half』#5

ストック無いよー、無くなったよ。
って言ったところで、今週いっぱいは、ストックで乗り切るつもりだったから良いんだけどさ。
また、一週間休むのは……赦されないか、やっぱ。
さてさて、毎度のように。この話の先頭は……って事を見たかったら、6/5の戯言を見にいくよし。あっちに、一揃いで並べてあるから。

Break the Wall 2nd Half #5

<-『Break the Wall 2nd Half #4』

「よっ、お疲れさん」
 トーナメント会場を後にしたラスクの前に、タイガとユリの二人が佇んでいた。
「来てたんだ」
 驚きを覗かせて、ラスクが二人に駆けよった。
「教室には、戻るつもりでいたのに」
「ん? 心配すんな、とは言うたんやけど、百聞は一見にしかず、っちゅうやろ? そういうこっちゃ」
 ラスクの言わんとしていることを酌み取ったからだろう。茶化すような言葉を、タイガは投げ返し、間髪入れずに、今回の観覧の目的とも言える本題を切り出した。
「で、どうやった?」
「予選落ちはしなかったんだけど」
 と、トーナメントでの戦績を言い出し始めたラスクを、目配せしながらのタイガの言葉が遮った。
「もうちょっと、空気読めや」
 と言われて、何をきかれているのか理解したのだろう。親指を立てつつも、はにかむように答えた。
「追いついたから」
「ほれみい。何も心配すること有らへんかったやろ?」
 と、タイガの言葉に促される格好になったが、ユリも、遠回しではあるが、昇格を祝うような言葉で答えていた。
「追いついたのは肩書きだけでしょ。級位も一緒にならなきゃ、追いついたとは認めてあげないから」
 と答えはしたものの、タイガにじゃれついている少年が、自分よりも強者であるように思えたことは事実だ。改めて目にしたとは言え、動揺を微塵も覗かせずに凌ぎきる 年不相応に落ち着き払った予選での様子や、コロセウムでの反応速度。
 明らかに、自分より勝っている要素が幾つか見受けられたのだ。勝っているのではなく、その血筋ゆえ、ここにいることが当然と思える少年。
 まさか、そんな少年に選ばれることになるとは、思いもしなかった。
 が、自分だって、そう易々と追いつかせるつもりはなかった。
「いつか、追いつくから」
「かかってきなさい」
 穏やかな表情で、タイガは二人のやりとりを見つめていた。

To be continued... -> 『幕間#3・私が一番聞きたい話』

ふぅ……やっと、ラスクが昇格してくれたよ……
ここまでに1ヶ月だぁ?
……時間かかりすぎ?(苦笑)
とは言え、この話はもう少し続きます。ので、どうせ乗りかかった舟とお思いの方々。毒を食らわば皿まで、との心境の方々。お付き合いの程、よろしくお願いいたします。