『越境〜光もたらすものと標星〜』#20

安定ストック分として計上できるのは、あと、6話……間に合うのか、こっから先の記述は!?


スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
2 steps more.自体は、昨日から。
ところで、第1話へのリンクって……必要?

では、本文。

To the BORDER, It is 2 steps more.#2

<- 『To the BORDER, It is 2 steps more.#1』

「やるじゃない。優勝だなんて」
 彼女が、満足げに戻ってくると、アメリアが驚嘆したような表情で出迎える。
「ラスクと約束してましたから」
 と、言っていること自体は、落ち着いているように聞こえるのだが、
「まったく……無理して平静装うこと無いのに」
 とのアメリアの言葉に、今のユリの様子が顕れていた。
「やっぱり、嬉しいんだ」
「今回のは特別ですから!」
 明快な返答だった。そんなユリを見ていると、アメリア自身も、嬉しくて舞い上がってしまいそうになる。
「二級に上がって最初のトーナメントが優勝だなんて、幸先いいわね」
 とは、アメリアの率直な感想なのだが、それとともに、もう一つ。アメリアの心に引っかかった言葉があった。
「ところで、ユリちゃん」
「はい?」
「ラスク君と約束してる、って事なんだけど……どんな約束なの?」
「答えなきゃ、だめですか?」
 答えたくない、とのオーラを全開にしているユリの様子に、アメリアも、
「まぁ、二人のことだから、心配はしてないんだけど…… じゃ、ドラゴンメダルと、昇格点」
「はい」
 胸を張っているユリに、メダルを手渡すと、アメリアが聞き返す。
「次は、どうするの?」
「このままの勢いで、行きます」
「そ。わかったわ。でも、勝って兜の緒を締めよ、って言うんだから、油断しないこと。いい?」
「言われなくても判ってます」
 と、ユリは答えていた。


 続く二戦目。第一セットのアクアマリン・フォートではセットトップとなったが、続く、ルビー・コロニーは四位通過。エメラルド・カテゴリー2を三位通過と、ペガサスランクに踏みとどまるだけでなく、二戦連続でペガサスランクでのコロセウムに到達することが出来た。
「今度は……ルビーのカテゴリー4にしよっと」
 と軽い気持ちで選択したのだが、それが、落ち着きを奪い去ってしまったのか、コロセウムでの結果はさんざんだった。

 第一クォーターのトパーズ・グラフ(雑学・四文字)では、得意な種(ジャンル)であったはずなのに、対峙する異形の形態にだまされ、ことごとく撃破に失敗。続く、アクアマリン・カテゴリー4でも、一体。落ち着いてチェックしていれば、撃破できたにもかかわらず、浮き足立ち撃破に失敗――皆が初見だったのか、それとも、彼女と同じように浮き足立ってしまい、撃破し損ねたのかはわかりかねるが、その一体は全員が撃破し損ねる形になった――。そして、彼女の選択となる、ルビー・カテゴリー4でも同様に召還される異形に翻弄される格好になり、自滅し、最後のエメラルド・ワーズで致命的な遅れと繋がった。

 誰よりも早く、落雷特有の衝撃を味わうはめになってしまい、
「私が負けるなんて……」
 とぼやいてしまっていた。

To be continued... -> 『To the BORDER, It is 2 steps more.#3』

ダベリ

……どう見ても、勝って兜の緒を締めよ、って展開です。本当にありがとうございました。
とフルセット。この頃は、まだ各区間の点数をメモしていなかったうえに、書いてる本人の記憶も曖昧になっているってんで、こんな展開になっていたんだろう、と勝手な憶測で書いていたり。
いきなりトーナメントから始まったこの二級の段階のお話。どういう流れ方をしていくのか、それは……まぁ、付き合っていただく方々のために伏せておくってことで。
今日は、こんな感じで。続きは、また明日。