#17・『She learnt he had caught up』#7

特売ってさ、バトルロイヤルじゃん。特に、食料品関係は。
で、巧くすれば、明日から3日間、またそういう期間に突入しそうでね。

……決めてくれれば言うこと無しなんだけど。
さてと、本文を始める前に、いつものようにコピペでお茶濁し。
えーっと、物語の始まりは、9/18。おさらい程度のまとめは、00/2/3。
今のパートが始まったのは、10/2。
んでは、本文をば、どぞ。

She learnt he had caught up #7

<- 『She learnt he had caught up #6』

 確かに、ラスクが上級号を授かったときに、「次は一人で行かせる」と聞かされては居たが、それは言葉だけの事だろうと思っていたシャロンに、クリスの言葉は衝撃的ですら有った。
「もし、明日、ラスクが『報告に行く』と言ったら」「それは、ラスクが一人で決めることです。自分独りでいくのか、誰かに付き添って貰うのか」
 と、シャロンの問いかけが完成する前に、彼女が求めているだろう答えを、クリスが口にする。
「でも……」
 と、反論しようとするが、二ヶ月ほど前に言われた言葉を思い出してしまい、かみしめるようにつぶやくしかできなかった。
「って、あなたの中では、もう一人前なんでしたわね」
 それまで、『弟』として自分のそばにいた存在が、今では、違う存在として認識しなければならない。そう思ったとき、急に寂しく、そして、切なくなった。
「隠し事を見抜かれて、真っ赤になる。そんな成長もしているんですよ。ラスクは」
「私も、そろそろ、あの子を一人の魔術師と見なすべきなのかしら」
 独り立ちしていく成長が嬉しそうなクリスとは対照的に、確かめるような呟きを漏らすのがシャロンのできる限りのことだった。
「そう言うことですよ」
 年下のくせに、達観したような、いや、ユリの存在を認めているようなクリスの言葉が、シャロンの癪に障った。ユリは、彼女にとって、掌中の玉とも言える存在をかっさらっていった者であるのに、同じ立場の筈のクリスは、そんな彼女の存在を認めているように思えたからだ。
「くや」「でも、昇格したことを教えていただけたのは、助かりました」
 再び言葉を遮られる格好になったシャロンは、クリスに苛立ちをぶつけようと思いかけたが、「助かった」と締めくくられたクリスの言葉が妙に気になった。
「どうしてですの?」
「こっちにも、いろいろと準備があるんです」
 はぐらかしてはいるが、時節と過去の経緯から、おぼろげながらに、『準備』との言葉の意味をシャロンは悟った。それに対するクリスはと言えば、こめかみの辺りに指をあてがうと、何事かを思い返すような素振りを覗かせる。
――ユリさんのサイズは、採寸してあるけど……あれから、三ヶ月は経ってるから、計り直した方が良いかな。
「しばらくは、アメリア先生に、ラスクが昇級するのに必要な期間を計っていただこうかとも思いますし」
 と、どこか安らいだ気分にさせる笑みを浮かべてシャロンに言葉を返すが、その言葉を受けた彼女は、どこか曇った表情で、ポツリとつぶやいていた。
「あなたたちが、エンライトンの忘れ形見であること……イヤでも、思い出す必要があるのですね」
「今の私は、エンライトンを名乗ることができる事、お忘れですか?」
「感傷に浸っているときに、それを壊すようなことを言うのは、止していただけません?」
「私の立場をお忘れのようでしたから」
「あなたは、本当に……変わらない方ですのね」
 溜息混じりのシャロンのぼやきには、羨望が覗いていた。

To be continued... -> 『Yuri learnt Lask had caught up #1』

ダベリ

タイガを主軸にして、ユリ(は、どうなんだろ?)→シャロン→クリスの順で、ラスクが昇格したことを知っていく場面なわけだけど……ヤバイっす。ストックが、今週分しかねーです……
どないしよ……まぁ、よそ事やってる時間を減らして、集中すれば良いって話もちらほらと。

そんな感じで。明日からは、次のパート。って言っても、このパート『She learnt he had caught up』が長くなりすぎるんで、区切れる場所でぶった切った、ってだけのことなんだけどね。
ただ、気がついたら、この『she』ってさ、二人のことを表している結果になったんだよね。シャロンとクリスの。ユリはどうしたかって? 最初の予定、つまり、パートを区切らなかったら、含まれていたけど、次のパートでのタイトルにも関ってるから、そこからは外れるってことでね。

んでは、こんな感じで、また明日。