エグゼリカ・エンハンスドのストーリーモードの難点

東方Projectカプコンブランドのギガウィングシリーズ。
この2シリーズの要素を参考にしたのか、この2シリーズよりも、下手な演出で、テンポとかをぶっ壊してしまってるように思えたのが、エグゼリカ・エンハンスドのストーリーモード。


ストーリーモードの本編自体の方は原作をまともにやり込んでない事も有って、具体的に批評するつもりはないんだけども……
さすがに、この演出は、無いだろう? と思ったのが有ったので、ネタにした次第。

『緊張と弛緩』とSTG的な文法。

STGに限らず、ゲーム内の時間経過に対してプレイヤーが受動的になるしかないタイプのゲームでは、ステージを設定することで、緊張と弛緩のリズムを作っている。遡るだけでも、エリアと呼ばれる定型で時間が区切られているゼビウスやエリアターゲットというエリアボス的存在が登場するスターフォース、もっと遡れば、ギャラクシアンやインベーダーと言った一大ブームを呼んだ上古のアーケードゲーム、ひいては、最近の固定画面シューティングのジオメトリウォーズシリーズ*1でも則っている、おそらくは、基本中の基本なルールかもしれない。
まぁ、難易度などにリズムが現れないゲームが、長期間にわたって語られるかと言えば……おそらくは「否」と答えるべき話なので、必然と言えば必然かも知れないんだけどさ。


さて、ここで話をSTGに絞り込むと、STGでは、基本ステージという単位では、スタート時点から緊張の占める比重が大きくなる。
挨拶代わりの開幕迎撃に始まり、それに続く、ラッシュや練り込まれた敵配置などでの難易度上昇。当然、プレイヤー側の緊張は、この難易度上昇に応じて高まることになるので、そのままクライマックスに突入させるのではなく、プレイヤー側への合図とも言える空白地帯で一息つかせて、クライマックスとなるボス戦に突入させる。ボス戦の終了でステージを終了させ、クリアボーナスの計数や、次のステージのストーリーなどを軽くなぞるなどの休憩時間を設定し、弛緩に比重を置かせて、次のステージ開始に備えさせる。
ってのが、STGを「緊張と弛緩」と言う方向性から見た場合の分析……って言うほど仰々しいものでもないけど。


こうして考えてみると、東方Projectギガウィングシリーズの場合、イベントシーンが、この弛緩のタイミングに挿入されている形になる。
それ以外にも、原作のエグゼリカでは、ボス直前に挿入される自機のつぶやきで、ボス戦が始まる、との印象をプレイヤー側に与えることが可能になり、緊張感を高めることに一役買っている。
ところが、エンハンスドのストーリーモードの場合、この挿入されるイベントシーンが、『緊張感が支配的となるタイミングで挿入』されてしまうので、多発する処理落ちとは違う意味で、テンポやリズムを破壊し、プレイヤー側への不満要因になりそうな印象を受けた。
実例を挙げるなら、ストーリーモード・フェインティアでのstage1開始直後に、ストーリー的には重要であったとしても、ゲーム本編的には、さほども重要ではない、自機が関らないやりとりや、自機から見ての文化レベルの確認シーンが、ボス直前に糸を切るようにイベントシーンが挿入される、などのように。
これが、ステージの開始前のタイミングに、一枚絵を表示することで挿入されているのなら、全然問題は無い、というか、そっちの方が大歓迎。ストーリーモードとは言え、ゲームの主となるのは、STG部分であって、ストーリーをなぞるようなイベントは、従でしかない。できれば、このような「従」の要素は、弛緩の場面に展開される方が印象が良くなる様に感じられるんだが……どうなんだろう?


ここを見る人で、エンハンスドをやってる人がどれぐらい居るのかわかんねーけど、異論があるのなら、返答してほしい次第。拍手でもコメントでも良いからさ。
なんかねぇ……
意欲的なのは汲み取りたいところなんだけど……いかんせん、空回りしてるように思えてなぁ……
あ、1面での演出にダメ出しした俺でも、イミテイトとのやりとりには文句は言わんよ?
あのタイミングは、未経験でも十分妥当だと思えるタイミングだったからさ。
ただ、それ以外がなぁ……
繰り返し遊びたいか、って事になると……微妙な感じなんだ、これが。

*1:このゲームの場合は、特定キャラのラッシュをボス相当に見なすことができる。