さてと……始めっか。

上がった頃は、もう少し精神的にも余裕あったんだけどねぇ……
最近、ベコベコですわ(苦笑)。
さてと……確立しておいた『境界線』の時のフォーマットを使って……
って、今日から始めるんだから、「いつもの」なんてねーよ。
大まかなおさらいは、00年02月02日に。今日から開幕です。っと、その前に……焦らすな、このやろうと言われるかも知れないけど……前口上など。

前口上・『境界越しの約束〜ぼくも行くから、そこで待ってて』を始めるに当たって。

『境界線』終了より、3週間弱が経過し、皆々様の生活も正常に戻った頃と、察します。
頃は、旧暦で言うところの七夕の節句。織姫、彦星が、年に一度の逢瀬を楽しんだ頃合いに、こちらも、一組のカップルの物語を始めたいと思います。
さて、織姫、彦星は、この頃に逢瀬を楽しむことと相成るわけですが、こちらで採り上げる二人は、肩書きにおいて、再び離れることと相成ります。それが、そして、この物語の行く末が、読み手をどのような気持ちにさせるのか、書き手である私に、想像することはできませんが、それでも、少しでも、二人の関係が良くなるように心がけて書き進めていることにかわりはございません。今回は、『境界線』程長くはなりません。伝えておくべきであろう情報は、そちらに大半を託してございます。

では、真夏の短い夜を彩る短い夢、開演にございます。

術(すべ)と導(しるべ)との境界線#1

「残念だったわね。はい、ブロンズメダル。で、今回の戦績なんだけど」「あの、先生」
 アメリアの言葉を遮るように、ユリが申し出た。その態度は、自分の級位が、特別な意味を持つモノに変わることを承知しているかのように見えた。
「なに?」
「私が、上級一級になったとか、魔導号を授かったとかって連絡、しないでもらえますか?」
「え? みんなの励みになると思うのに。」
 ユリの申し出の意味が理解できないという表情を覗かせたアメリアだったが、
「ラスクが……まだ、完全に立ち直れてない気がするんで……
 勝手な言い分って事は判ってます。でも、おねがいします」
 と、申し訳なさそうに頭を下げるユリに、ラスクへの思いやりを感じ取ったのか、溜息を吐いて、アメリアは言葉を返した。
「仕方ないか。ユリちゃん本人の申し出じゃ、聞かないわけにいかないもんね。でも、二人とも居なかったら、報告するから。それで良い?」
「ごめんなさい」
「いいのいいの。気にしないで」


 数日後。

「参ったなぁ……この時期って、ちょうど谷間だから、何も言うこと無いんだよねぇ……」
 教室と廊下を隔てる扉を前にして、アメリアは、採り上げるべき話題に悩んでいた。フェスティバルは終わった直後で、次の解禁時期は定まっていないし、ユリとラスクの二人が居るかどうか判らない状態でその話題を準備するのは、なんとなく、ユリに申し訳が立たないように感じていたからだ。
「あんまり、タイガくんばかりからかっても仕方ないし……」
 溜息一つ。
「仕方ない。適当に切り上げるか」

「ぐっもーにんえぶりばでぃ」
 教室に入るなり、空元気のような態度でアメリアが、自分が受け持っている生徒たちに挨拶を投げかける。
 と、口々に生徒たちも挨拶を投げ返してくる。と、その声に聞き耳を立てるわけでもないが、教室の様子をうかがうように見渡していた。
――二人とも、居るわね……
「今日も、みんなが元気そうでなにより。取り敢えず、今日のところは、何も言うこと無いから、これにてHRは終了。今日も、思い思いに頑張りましょう」
 と告げて踵を返そうとすると、タイガの「なんやねん、それ」との抗議の声が耳に入る。
「タイガくんさぁ……もう少し真面目にトーナメントに出てくれないかなぁ。そこから下に落ちる心配はしてないんだけど、先に進んでくれないと……立場がないのよ」
 やぶ蛇やった、との呟きが漏れると、教室の空気が軽く緩んだように見えた。その瞬間、アメリアは、今ならば、誰も、その真意に気付くまいと判断し、
「ユリちゃん、その調子でね」
 間隙を縫うように、担任として出来うる限りの応援の言葉を投げかけた。

To be continued... -> 『術(すべ)と導(しるべ)との境界線#2』

今日のあとがき(ダベリとも言う)

もう少し書き出しは、練っといた方が良かったかな、と軽く後悔。
まぁ、毎度この調子で話を書き進めていくわけですがね。

ん〜……拍手の場所、変える方が良いんかな?
あんまり上においても仕方ないし、いろいろとね。まぁ、そんな感じで。