うむ。堪能した。

まだ昂ぶりがおさまりませんのことよ?
って言うのも、最後の最後で謎を撒き散らしてテレビシリーズ一旦終了となった、SPECが、劇場版で『天』になるもんだから、その間を繋ぐ『翔』が放送されたのね?
で、それをみたんだけども、初っぱなから、当麻の左手が動いてるところに度肝を抜かれたり。
というのも、当麻の左手は、テレビシリーズでの初回の段階から既にギプスでぐるぐる巻きにされていた上に、その理由も、ニノマエを逮捕しようとした際の負傷で、一度失われてしまった、って背景があったからなんだけどさ。


で、今回の『翔』は、テレビシリーズの最終回、特に、終盤でのまき散らしの際、そこで何が起こったのか、って事に対する回答になってて、そこから、『天』への、って感じでね。
とりあえず、それを観て、自分なりの解釈などを撒き散らしてみようかと。
あ゛ー……ネタバレになる可能性も有るので、録画してて観てないって人は、観ないように気をつけてな?

当麻紗綾という人物。

まず、1番インパクトがあったのは……
異能保有者だったこと。


一応、その可能性については、放送終了後に言及してた。
ただ、読みが甘かったとしたら、『同じ』ではなかったこと。
おそらく、厳密な意味で『同じSPEC』を持つには、幻影旅団の団長の念能力『盗賊の極意(スキルハンター)』のようなSPECが必要になる世界観と推測される*1
効果が似通っているSPECでありながらも、その発動に必要な行動が異なっていると思しきSPEC HOLDERが存在している*2ことが、その論拠。


また、彼女自身による、そのSPECの覚醒に関する考察*3は、一つの推測を導く要因ともなる。

壬の回。ニノマエの世界の中での当麻の表情。

あれはおそらく、当麻の謀略によって、ニノマエの自己保存本能が呼び起こされ、ニノマエ自身の加速力が低下したものと推測される。

ニノマエの生死

まず、

  1. ブブゼラリーマンによって、その遺体が奪取されたこと。
  2. 地居によって、その精神というか、思考に歪みが生じたこと。
  3. 『津田助広』による「ニノマエ十一を擁する集団にとってのニノマエに対する評価」への考察。
  4. 当麻紗綾の証言。

などから、地居聖によってアイデンティティを書き換えられた、当麻陽太であったニノマエ十一は死んだものと考えられる。
ならば、天に登場する『ニノマエ』はナニモノなのか? という事になると、第一要因から、『当麻陽太のSPECを諦めきれない勢力によるクローン』という解釈を導くことができる。
この辺りに関しては、相棒S.10の最終話でも題材にされ、結果失敗に終わった体細胞クローンという形ではなく、より背徳的な、生殖細胞を利用したクローンではないか? と推測。
SPEC HOLDERが欲しいのなら、『コレクター』を引き込むのが王道だろうから、その遺体を奪取する必要は無い。つまり、ブブゼラリーマンを動員する必要が無くなる。けど、その遺体を奪取したと言うことは、年の離れた双子とも言えるクローニング、または、強引な蘇生と考えるのが妥当と。後者であれば、当麻や瀬文がそうであったように、何らかの形で掌返しが発生する可能性も無いとは言えないだろうけど……
強引な蘇生って事になると、ある意味ゾンビだからねぇ……それもそれで……
だったら、クローンの方が、まだすっきりするかなぁ、と。

志村優作が殺された理由。

これは、状況整理を簡単にするため、と思われる。
致命的な数の銃弾を浴び、植物状態にまで陥った彼が、奇跡的に回復した、という事になると、何らかの形でSPECが脚光を浴びることになりかねない。
この結果、公安零課が闇に沈め続けてきた事実の露呈の引き金になりかねない、との思惑に繋がり……
との解釈。つまり、あの悲劇は、警察という組織に、ではなく、隠しておきたい何者かによって、引き起こされたとする解釈。
『翔』でも、ブブゼラリーマンは登場しているけども、その登場した理由が巧みにぼかされているような気がして、ねぇ。
そりゃ、確かに、四面楚歌に近い当麻たちの前に現れようモノなら、『敵の敵も敵』って認識にもなりかねないからね。ただ、後から考えてみると、ブブゼラリーマンを利用するのが、一番手っ取り早い、って考え方もね。出来るもんだから。

瀬文焚流に関して。

正直なことを言えば、劇場版に残された最大の謎は、瀬文自身にあるような気がする。

結局、『翔』においても、××さんを殺害した方法、○○のSPECが発動しなかった理由、が謎として残ったし、劇場版のCMに使われているカットや瀬文の台詞で気になるところがないわけでもないしね。

結局のところ

今から、4月7日が待ち遠しいッ!
ってなありきたりな結論に達したり。


けど、後から考えれば考えるほど……ミスディレクションが豊富に仕込まれた作品だった気がするなぁ。

*1:実際、『翔』のボスキャラが持っていたSPECは、『盗賊の極意』に類似するところがあったため。

*2:海野亮太の回想に登場したSPEC HOLDERと、志村優作の許に現れたSPEC HOLDERの相違。

*3:このことが、海野亮太には皮肉な形で作用した。