『皆の往く途・歩く途』#78

うわごとのように、「今日で夜更かしする生活も終わりだ」と繰り返してます。
「pvの廻りも鈍るぞ」とか言ってますが……適当に煽れば、また何か書き始めると思います。


えーっと、とっかかりは、2/19。ヘッダというか、トップにリンク張ってあるから、今のところは、張らない。
ちょっとした話にするつもりだったのが、十六週間・七十八話にわたってしまいました。
お付き合いいただいた方々には、感謝の言葉と共に、お疲れ様でした、と。

それじゃ、最後の本文と参りましょう。

行く途・歩く途#10

<-『行く途・歩く途#9』

「でも、それじゃ……」
「それができへんかったときは、さっき謝った分でチャラ。ってことでな。カイルー、んじゃ、アリーナ行こか」
 と、ためらっているラスクを気にも止めず、お目付役でもあるカイルを呼びつけて、タイガは補習に向かおうとする。
「タイガさん」
 呼び止めるラスクを、タイガは、ユリへの気持ちを決着させていなかったとき以来、久しぶりに、険しい表情で見返した。
「お前は、俺と『約束できへん』のか? 俺が補習しとる間に、賢者服を着ても文句言われんようにするって」
 表情を緩めることをせず、威嚇するように、低い声で聞き返していた。
――本当に、バカ……
 表情を一切緩めないタイガを見て、ユリは、ラスクの告白を受け入れた、最初の春のことを思い出していた。
 誰にも悟られないように、小さく肩をすくめると、ラスクを支えるように歩み寄り、タイガに問いかける。
「タイガ、それってやっぱり、私も入ってるの?」
「当たり前やろ」
 とのタイガの返答に、ユリは、ラスクに囁きかける。
「私たちは、タイガの補習に付き合っちゃいけないんだって」
「でも……」
 表情が曇っているだろうことは、俯いているラスクの様子からも、ユリは読み取っていた。
「タイガ、これだけは言わせて」
「ん?」
「タイガはね、ラスクのことを認めているからこそ、こんなこと言えるんだよ」
「……判った」
 ユリの言葉が背中を押したのか、か細くはあったが、ラスクは、そう宣言するように答えた。
「タイガさんに負けないように、ぼくたちも頑張るから」
 続いた言葉に、タイガも満足そうに頷いて、背を向ける。
「んじゃ、しばらくは、お別れやな」
 それまでの、威嚇するような低い声ではなく、普段通りの、気の良い兄貴分としての声でタイガが、二人に答え、カイルの所に向かっていた。


「お二人さん、地上教練に出かけるアルか?」
 取り残される格好になったユリとラスクの二人に、ヤンヤンが声をかける。
「どうしたのよ、突然?」
 意外と言えば、意外な人物の登場に、ユリが唖然とした表情で問いかける。
「別に、私が一緒に行っても、問題ないはずネ?」
「一理あるけどさ……」
 と、ヤンヤンの言葉に同意の返答を返すのがユリにできた精一杯のことだったのだが、それを聴いていたからなのか、ラスクが彼女の決心を促すように、相の手を入れた。
「行こうよ。タイガさんとの約束もあるんだし」
「それもそっか」
 ラスクの言葉に促されたのか、ユリも、ヤンヤンが名乗り出てきたことには気を病まないことにした。
「よーし、やるよ、やっちゃうよ!」
 彼女の口をついて出た言葉は、ラスクとヤンヤンの二人には、自分に、そして、ラスクに言いきかせるためのモノのように聞こえた。
「destroy them all?」
「とーぜん!」
 確かめるように問いかけてきたラスクの手を取って、ユリは、地上教練のスタート地点となる校門を目指して歩き始めた。

To Be Continued -> QUIZ MAGIC ACADEMY 4th period.(This story is finished.)
#77・78の原形を見たい人って居る?

ダベリ

……四ヶ月と二日。
延べ期間です。2/19から始めて、改まった三人組がスタート地点に向かって歩き出す、って形で締めくくられるまでに掛かった期間なわけですよ。
本当に、ようやく終わったな、って書いてる側以上に、付き合ってくれてる人達が思いそうな期間です(苦笑)。

この間に、マクロ組むために休むわ、VGAが死んで急場を凌ぐしかなくなったもんで、執筆作業自体に取り組めない、なんて期間も発生したりと、『境界線』を書いてた頃のような状況ではありましたが、(書き手でもある冬崎としては)軟着陸させることができたかな、と。
この締めくくりを、軟着陸とするか、胴体着陸とするか、不時着とするかは、読み手でもある、皆さんに任せるしかないんですがね。
因みに、修正する前の第一稿は、胴体着陸級です。(マジカ?

さて……と。
『皆の往く途・歩く途』としての物語は、本日を以て締めくくりたいと思います。
「なんか、おもしろい話を書いてる奴だな」と思っていただけたのなら、幸いにございます。
『次の話』を始めるのがいつになるのか、それを確約することはできませんが、その『次の話』で再会することに繋がるのならば、幸いにございます。
では、これを持って筆を置かせていただきたく、存じます。

んじゃ、「いつか何処かの空の下、縁有れば、また逢いましょう」

ためしに、纏めてみたら、原稿用紙270枚越えだって……

……騒ぎらしい騒ぎもないの話でラノベ一冊分ってどうよ?(汗)