『越境〜光もたらすものと標星〜』#24

後四日も続ければ、年内連日更新って目標は完遂さね。
えーっとストックは確か……ふむ。年内は問題なしか。せっつかれたら、ちょっと考えるけどね。


スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
2 steps more.は、12/22から。
ところで、第1話へのリンクって……必要?

では、本文。

To the BORDER, It is 2 steps more.#6

<- 『To the BORDER, It is 2 steps more.#5』

 ラスクの部屋に入り、着替えなどを詰め込んだ鞄を定位置に置くと、
「ラスク、この前渡した、ドラゴンメダル。出して」
 と今日、ラスクの部屋に押しかけた第一の目的を切り出した。
「出さなきゃ、ダメ?」
「ダメ」
 上目遣いで、問うラスクに、ユリはキッパリと以前に渡したドラゴンメダルを差し出すように言い放つ。
「昇格、したときのメダルなんでしょ?」
「あれは、ブロンズだから、ダメ。それに、ゴールド相当を獲ってきたら交換するって約束でしょ?」
 渋々、メダルケースに収めていたドラゴンメダルを差し出した。
「そんな顔しないの」
 と言い聞かせながら、ユリは、彼の手に、自分が勝ち取ってきたゴールド相当のドラゴンメダルを手渡した。
「これで、貸し借り無し。で良いよね?」
 とラスクから受け取ったメダルを鞄にしまいつつ、ユリがラスクに聞き返す。とは言うものの、ラスク自身に、貸し借りという発想は最初から無かったので、どう答えて良いのかがわからないで居た。
「帳消しで良いよね?」
 との念押しに、「うん」と答えた後、ラスクは、いい機会だと思ったからなのか、
「……それでさ、ユリ……」
「何?」
「勉強会もしたいんだけど……良い?」
 と、切り出していた。
 せっかく二人きりになっている機会だというのに、普段よりも、修練を磨くことに躍起になっているラスクの様子に、溜息をつきつつも、ユリは、
「仕方ないから、付き合ってあげる」
 と答えていた。


「ルビー・ベイグのこれとこれってさ、すっごく厄介だと思うんだけど」
 自分なりに調べてまとめたのだろう。二枚の資料を並べながら、ユリに教えを請うように問いかける。と、ユリの方も、遭遇経験があったのか、
「形態が同じなのに、急所が違ってるって奴でしょ?」
 と一言。その返答で安堵したのか、ラスクの方も、自分の弱点をカバーしようとの努力からなのか、
「何処で見分けたらいいのかな?」
 と、対処法の教授を願う。
「脚を見るしかないんじゃない?」
「脚?」
「ガルーダ先生の手のようにかぎ爪がついてたら、リュウ。そうじゃなかったら、リョウって」
「それが一番早いのかな」
 それだけで良いのかな、と言いたげなラスクの言葉に、ユリも、
「私はそうしてるから」
 と答えていた。

「今度は、これなんだけど」
 タイガから聞いては居たが、よもや、これほどとは、と呆れそうになるほど次から次へと資料を引っ張り出してくるラスクに、ユリも根負けしそうになった。
「シーケンスのこれは……素直に、頭文字順に並べれば良いと思うんだけど」
「そうなの?」
 信じられない、と言う表情を見せたラスクに、ユリが根拠を説明する。
「だって、B、K、Oの」「あ!」
 完成する前に気付いたのだろう。ユリの言葉に被せるように、ラスクが短い声を上げる。と、ユリの方も、そんなラスクのリアクションだけで充分だったのか、微笑んで聞き返した。
「ね?」
「気付かなかった……」
「でもさ、ラスク。そんな簡単な注意点を見抜けなくなってるぐらいつかれてるんだったら、休んだ方が良いよ?」
「でも……」
「つかれてるときに、無理にまとめようとしても、逆効果だよ」
 ユリの諭すような言葉に、資料に書き込もうとする手が止まる。
「けど……」
「メリハリ付けなきゃ。アメリア先生が明日休め、って言ったのってそういうことだと思うんだけどな」
「……そう、だね」
 ユリの言葉に頷くと、ラスクは拡げた資料をたたみ始めた。

To be continued... -> 『To the BORDER, It is 2 steps more.#7』

ダベリ

どうして、定位置なんて表現が出てくるのか?
今に始まったこっちゃ無いからでしょうな。お泊まりってイベントがね。
回数は多くはないモノの、何度か互いの部屋にお泊まりしてるらしいっすよ? って、お泊まりしてるからって、やってることは、キス止まりなのが、ここの二人ですけどね。

もっとも、賢者になるまでは、ってことらしいですよ?(ダマレ

えーっと、今日も繋ぎになっちまったな……(汗)。なんか、どうしようもないところで引っ張り倒しているような気がするんだけど……呆れられてないだろうか。
そうそう。作中の勉強会で登場している異形に対する対策。あれは、ここの復習を見ていると、それぐらいの時期に拾ってきたか、思い出してる問題ばかりなので、その時期を洗い出して見るのも、また一興なのやもしれず。
では、今日は、こんな感じで。続きは、また明日。