#01・『To the BORDER, It is 4 steps more.』#01

まわるpvカウンタに、何かを期待されている気がしてならない今日この頃。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

さて、気分を入れ替えて。
終わりよければ全て良しの言葉通りの物語となるか、冗長で蛇足な物語と映ってしまうのか、決めるのは、受け手の方々にございます。
最後の昇格に臨む、二人の物語。
では、始めましょう。


それじゃ、始めますか。最後の昇格物語。
スタートは、今日、06/12/04。おさらいは、00/02/04。
このパートは、最初のパートなんで、こっから読んでいけば、イヤでも、頭からに。
では、本文。

To the BORDER, It is 4 steps more.#1

 ラスク=Enlが魔導号を授かってから、およそ三週間が経過した、九月初旬。
 ブームの黒幕、購買部の支配者、魔性の微笑みの持ち主、などなど、とても褒め言葉に思えない二つ名で呼ばれはじめていることなど、気にもかけずに、クリス=エンライトンは、珍しく購買部を離れ、多くの生徒たちが通い慣れているトーナメント・コロッセオへの道を歩いていた。
「そう言えば、セリオスさんが『ラスアルハゲ』の名を授かって、受け取りに来たのって、つい最近のことだったっけ」
 と誰に聞かせるでもない独り言が漏れる。
「ラスクも、とうとう魔導号。次の昇格検定をクリアしたら、晴れて父さん達の名前、受け継げるのよね」

 頭には、ホワイトブリム。袖を通している制服は、弟ラスクや、義理の姉シャロンが着ている物とは配色のバランスが異なっている白黒のエプロンドレス。腰には、どんぶりよろしく、アカデミーの紋章がプリントされたがま口。と、購買部に所属している、というよりは根っからの商人だと言わんばかりの出で立ちで、ラスクの姉、クリス=エンライトンは、歩みを進めていた。


「誰も居ないってのは、ちょうどいいタイミング」
 トーナメント・コロッセオの待合室をのぞき込んだクリスは、空っぽの部屋を見て、思わずつぶやいていた。となれば、彼女の目当ての人物は、その奥の控え室にいるはずと、物怖じすることなく、待合室の奥に設けられた教員専用の控え室に向かった。
 
 控え室をのぞき込むと、日頃の激務の疲れが祟ったのか、だらしない表情で眠りこけているアメリアの姿が飛び込んできた。
――忙しいから、ってのは判るんだけど……こんな格好、とてもじゃないけど、ラスクたちに見せられたものじゃないのに。
 と、呆れ口調のぼやきが漏れそうになったが、それをグッと飲み下して、クリスはアメリアを揺すりながら呼びかけた。
「アメリア、先生」
 クリスの呼びかけに、抜け切れていない学生気質が顕れたのか、
「はへ? えっと……きいてませんでした」
 と、惚けた返答をしてしまっていた。
「先生、しっかりして下さい」
 とクリスが呆れたように、声をかけると、最初は、状況を理解できていないのか、未だ夢見心地の表情で、クリスを見返す。
「……、……あ゛ー!」
 突然上がった、アメリアの声に、思わずクリスが耳を塞ぐ。
「なになに? なんだったっけ?」
 声を上げたことで、意識がはっきりしたのか、クリスがここに来た目的を聞き出そうとする。緊張感の無さが、彼女の魅力なのだろうと、割り切って考えはするものの、どうしても呆れてしまう彼女の様子に、溜息を一つ吐いて、
「ラスクとユリさんの級位を尋ねに来たんです」
 直球の言葉を投げ返す。
「そんなこと……」
 と言いかけて、アメリアは、彼女が姉としてではなく、購買部の人間として、ここに来たのだと直感し、言葉を改めた。
「面白いことにね、二人とも、今四級なのよ」
 アメリアの返答に含まれていた『面白い』と言う部分を無視して、クリスは聞き返していた。
「先生としては、いつ頃、二人が昇格すると思うんですか?」
「えーっと、ちょっと待ってね」
 とクリスに待つように告げると、二人がトーナメントに参加するようになって以来の成績の記録に目を通し始めた。

To be continued... -> 『To the BORDER, It is 4 steps more.#2』

ダベリ

開始とした時節、実際に昇格した時期。これを承知している方々ならば、「本当に大丈夫か? 年単位の物語となら無いか?」との不安もあるでしょうが、折を見て、一気に時計を進めるつもりでいますので、年単位には、ならないと思います。
最後までお付き合い願えますことを……


なーんて、かたっくるしいのはちょっと、性に合わないかな。とかなんとか。

パートタイトルをどうしてこうしたのか。本文読めば、一発で判ると思う。
さてと。購買に居るクリスが、どうしてアメリアのところに向かったのか。は、明日にね。
それじゃ、今日は、ここまで。続きは、また明日。