先行稼動してるところがあるんだとしたら、やっぱ、溢れたねぇ……
んなワケで、この話は3をベースにしている話ですよ〜ッと。
スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
今日から、10/14に進行。
ところで、第1話へのリンクって……必要?
では、本文。
report from LASK and YURI to sky...#1
<- 『Across the BORDER.afterward.#6』 その翌日。 「おはよーさん」 との挨拶と共に、教室に足を踏み入れたタイガに、ルキアは、短い挨拶を返すと、教室を見渡しはじめた。 「どないした?」 と、問いかけながら、タイガは、ルキアの行動の意味をなんとかして理解しようと心がけるのだが、彼女の狙いというモノが理解できない以上、問いかけるのが一番早い、との結論に達したのだ。 「ラスクと一緒に居たワケじゃないから、あの子がどうしているのか、なんて知ってるわけ無いか」 と、ルキアも不安そうに、諦めたようにつぶやいた。 「それやったら、ラスクは、今日のHR、休むんとちゃうか?」 ユリとラスクの二人が昇格したことを知っているタイガだったが、なんとなく、その事を告げる気分にならなかったので、ラスクがそうするだろうとの予想を口にする。 「何、それ?」 と、理解不能、と言いたげな表情でルキアも返すのだが、もう一人、足りない人物が居ないことに気がついたのか、アロエがルキアに、 「ユリさんも居ないね」 と話しかける。驚いたような表情を見せたルキアだったが、その意味を悟ったのか、納得したような表情を覗かせる。 それから程なく予鈴が鳴り、ルキアは、教室に自分以外に十一人いることを確認する。 ――二人とも、賢者になったんだ。 アメリアの到着を待ちながら、ルキアは、そんな事を考えていた。 「はーい、みなさーん、着席、着席〜」 そんな言葉と共に、アメリアが教室に現れると、長くはない朝の自由時間が終わった、と言わんばかりに、彼女が受け持っている生徒たちが、それぞれの席に向かって移動していく。 移動と着席に伴う雑多な喧噪も、次第に静まっていき、沈黙が取って代わった頃、 「ぐっもーにん、えぶりばでぃ」 二つだけ空席のある教室を見渡しながら、アメリアが話し始める。 「今日は取り敢えず、報告がありまーす。ここにいないから、察してる人もいるかも知れないけど、昨日。ラスク君とユリちゃんが、賢者に昇格しました」 アメリアの言葉を聞いて、思うところがあった面々がざわつき始める。 思えば、アメリアが、二人に購買に顔を出すように告げてから、一ヶ月。十二人の教え子に、その事を告げた彼女自身にとっても、長かったようにも、あっという間のようにも、感じられる時間だった。 が、いつまでも感慨にふけっているわけにも行かず、アメリアは、一人の生徒との口約束を思い出し、 「と言うわけで、次のフェスタでは、タイガ君は、絶対に当たらなくなったんで、安心して、ナイトに上がってね」 と昇格するように促した。 「名指しですか?!」 「当然じゃない」 自分が名指しで呼びかけられた事に、タイガが抗議の声を上げるのだが、それに対するアメリアの返答は、のれんに腕押し、柳に風、と言った雰囲気だ。 「先生、宜しいですか?」 タイガとアメリアの、「お約束」とも言えるやりとりに、おずおずと手を上げてカイルが割り込んだ。 「なに? フラムスティードさん?」 「二人の名前、を教えていただけませんか?」 「ラスク君は、御両親の名前『エンライトン』を受け継いで、ユリちゃんは、『ポーラスター』よ」 と答えたところで、アメリアは、思い出したかのように、言葉を継いだ。 「だから、ユウ君は『シルベノミヤ』を受け継ぐことになるわけよね。あと、シャロンちゃん。貴女も、賢者になったら、名前が改まるから、その事だけは忘れないでね」 アメリアが継いだ言葉は、肉親・縁者に、アカデミーの出身者・在籍者が居る二人に、それぞれの違いを伝えるためのものだった。 「で、最後にレオン君になんだけど……」 「大賢者になるまでは、親父の名前は名乗るな、ですか?」 「そう言うこと。いちおう、賢者に昇格してくれたら、通り名は付けるから、どっちでも好きな方を名乗って」 言外に昇格の準備を匂わせたあと、アメリアが、いつもの言葉で締めくくろうと 「それじゃ、今日も一日、『おきらくごくらく』で」 と、お決まりの締め言葉を言いそうになったアメリアだったが、そうも行かないと思い直したのか、 「……と言いたいところなんだけど、次のフェスタまでに、昇格できそうな人達は、昇格を目指してね」 と珍しく煽るような言葉を残していた。 「特に、タイガ君。せめて、上級ぐらいにはなってよ」 「考えときますわ」 To be continued... -> 『report from LASK and YURI to sky...#2』
ダベリ
多くを語るのは野暮ですな。ちょっとした箸休めなんだから。