『皆の往く途・歩く途』#55

あ゛ー……たまには、ストックが作れるかと思ったら、結局自転車操業なのに変わりなし。
⊂⌒~⊃。Д。)⊃


えーっと、とっかかりは、2/19。ヘッダというか、トップにリンク張ってあるから、今のところは、張らない。
現在、ようやく大詰めな、パート・その七でございます。

んでは、本文。

祝宴#8

<-『祝宴#7』

「ケーキ、どうしましょうか?」
 一息でロウソクを吹き消したユリの肺活量に、驚いているラスクを、無視するように、カイルは、二人とルキアに問いかける。
「ユリが文句を言わないのなら、私としては、それぞれ八等分にするのが、良いと思うのよ」
 カイルの質問を予想していたか、ユリの様子を窺いながら、準備していたようにルキアは答える。
「それで良いですか?」
 ルキアの言葉を受けたからなのか、そのままの流れで、カイルはユリに問いかける。
「そうねぇ」
 と教室の中を見渡しながら、考えるような素振りを見せているが、何処かで腹づもりは決まっていたのだろう。
「ケーキだけでお腹一杯って、切ないもんね」
 との結論をカイルに告げる。カイルの方も、ユリが、そのような返答をするのを期待していたかのように、アロエに声をかける。
「アロエちゃん。ヤンヤンさんのケーキ、お願いできますか?」
「はーい」
「それじゃ、またあとで」
 と、ユリに断りを入れてから、カイルは彼女の前に置かれたケーキを下げていた。
「私も手伝います」
 ユリがロウソクを吹き消したケーキを、カイルが下げたところで、その意図を悟ったのか、クリスがカイルの後を追いかけていた。


――商人なんか、そうとはちゃうんか…… 判断が難しいとこやなぁ。ラスクの姉貴言うのは。
 クリスの様子を見て、タイガは、そんな風に思ってしまう。
――とは言うても、あの面倒見の良さは、商人としては、充分な武器になるからな。
 タイガとて、彼女が「購買部の主」との二つ名で呼ばれることがあるのを承知しているからこそ、こうも考えてしまう。

 カイルが、ケーキを下げたことを確認すると、二人とラスクの前に皆から遮るようにルキアが立つ。何が狙いなのか、とユリがいぶかしんでいると、コホンと咳払いを一回。
「えーっと、二人のケーキは、後で八等分にして、みんなにも振る舞う予定なんだけど、取り敢えず、みんながノンストップで昇格検定をクリアできたこと」
 息継ぎをすると、
「そして、もう冬至も明けちゃったけど、長くなっていく日差しに、感謝を込めて、好きに始めちゃって」
 と、本題とも言える宴の開幕を告げた。


「けど、なんちゅうか……見事ッちゅうか、壮観やな」
 カイルとアロエ、その後を追っていったクリスの三人とは別に、今会場に残っている十三人のうち、自分と、担任兼寮監のアメリアを除いた面々全員が、賢徒服に袖を通しているのだ。
 ラスクとユリのその姿は、以前にも見たことは有ったし、二人の修練の程は、実際にその目で見てきたことなので、圧倒されるほどのことではなかったが、残りの面々も、彼の知らないところで、修練を積み上げてきたことを目の当たりにしてしまったこともあった。
「……賢者になる、っちゅうことなんか」
 なんとなく居心地の悪さを感じてしまい、一人壁ぎわに佇んで、つぶやいてしまう。
――痛い目に遭うたのに、ラスクは、自分の足で立ち上がって、ここまで来たんやな。
 自分で『総合学部』(ここ)に来ることを選んだユリ。そして、自分で、『歩き続ける』事を選んだラスク。
 それに比べると自分が選んだことは……ラスクの気持ちの負担を軽くしてやれる立場に立つこと、ぐらい。
 それだけで、本当に良かったのだろうか。自分も、出来ることなら……いや、でも……
「なぁに黄昏れてるの?」
 と、その言葉通り黄昏れている自分の教え子に、アメリアは声をかけていた。

To be continued... -> 『祝宴#9』
コメント投げるまでもねーな、と思うけど、って人は、こっちの拍手から。

ダベリ

いい加減ストックを作っていかないと、いつが最終週になるのか自分でも判らなくなると言う困ったオチが待っているので、なんとかしたいんだけど……
バスロマ! とか言ってみるテスト。

まぁ……
そんな感じで、あっさり目に。
とにかく、ストックを作っていきたいんでさ。

今日のところは、こんなところで。続きは、また明日。

しかし、メインであるはずのユリラスの出番が、本当に少ねーなー。いいのか? こんな調子で?(汗)