#20・『Break the Wall 2nd Half』#1

不定時掲載なんだけどね。
こんな時間に書き出すことができるのが、ストックのある証拠ってね。

Break the Wall 2nd Half #1

<-『幕間#2・昨夜聞かされた話』

――どうせなら、勝って決めたいな。
 その日、三度目、通算三十二回目となる決勝の舞台、コロセウムを踏みしめながら、不遜と言えば不遜な心境で、これから始まる『決戦』にラスクは臨もうとしていた。


 思えば、ユリからの質問で動揺し、泣きじゃくってしまった自分ではあったが、姉に背中を押されるように会場に足を向けると、歩くという行為が良い方向に影響したのか、次第に普段の落ち着きを取り戻すことが出来た。
 取り戻したのは、落ち着きだけではなかった。
 今日中に昇格を決めてみせる、という決意も、だ。

 意気込みというものは、一歩間違えると力みに繋がり、些細なケアレスミスを招いて、心理的にガタガタになってしまう危険性を孕んでいるものではあるが、その時のラスクは精神的に充実していたのか、良い方向に影響を与えていた。
 初戦をゴールドメダルの奪取で飾り、その勢いを駆って、その日二枚目と、勢い込んだものの、コロセウムでの戦いで糸が切れてしまい、四位に甘んじる結果となってしまった。
 とはいうものの、四十回のトーナメントへの参加で、コロセウム到達回数三十一回、メダル総数二十九枚。つまり、全体で通しても七割、コロセウム到達に限れば、実に九割の確率で、メダルを持ち帰っているその戦績は、最上位階級で血戦とも呼べるだろう戦いを繰り広げている面々のそれを除けば、充分に胸を張れる戦績と言えるだろう。
「惜しいなぁ。決勝で崩れなかったら、何とかなったかも知れないのに。ま、今回は、お預けなんだけど、どうする? もう一回、参加登録する?」
 担任の問いかけへの返答は、決まっていた。
「もう一回、戦わせてください」
「オッケー。それじゃ、いつものように予習は二時間分。成績確認は予習一時間分だから、よく考えて使うようにね」

To be continued... -> 『Break the Wall 2nd Half #2』

んで、再開そうそう、分量が少ないわけですが(汗)。
これは、構成の甘さゆえです。(´・ω・)
明日からの分量は、今まで通りになるかと。
さーて……ストックを作りに行きますかね……