#38・『To the BORDER, It is 1 step more.』#8

なんか、「いいからとっとと、昇格させちまえ」って声も聞こえてきそうなんだけど……そんなことお構いなしに、物語は進行していくのですよ。マイペースマイペース。
♪お〜ふぇ〜〜んす、じぶんがめざしてるほうへ〜〜〜
ってな。


スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
このセクションは、三が日の最終日、1/3から。
ところで、第1話へのリンクって……必要?

では、本文。

To the BORDER, It is 1 step more.#8

<- 『To the BORDER, It is 1 step more.#7』

「あ゛、忘れてた」
「? どないしてん?」
 豹変したように、声を上げたラスクに、タイガが疑問の表情を浮かべて聞き返す。
「先生から、タイガさんに伝言があったんだ」
 答えるように、続いたラスクの言葉に、心当たりがあったタイガの表情が、引きつった。
「……いや、ラスク。それは、言わんでもええぞ。なんとなーく、せんせの言いたいことは判るから」
「でも……」
「そう、遠い話でもないんやから、せんせも待ってくれたらええねん」
 と、ラスクが受けてきたであろう伝言の内容は判っている、と言いたげにタイガは、彼にぼやいていた。


 ラスクと入れ替わるように、トーナメントにエントリーしたユリは、第一セットから敗退を覚悟しなければならない状況に陥っていた。
 アメジスト・カテゴリー2。アメジストの撃破率を低下させている要因とも言えるこのカテゴリーが立ちはだかったのだ。ところが蓋を開けてみると、比較的弱い異形が召喚され、苦手意識の有るカテゴリーとしては、珍しく三位通過との好成績を収めることが出来た。
 それに続いたのが、ルビー・ソリッド。これに至っては、強運とも言いかえることが出来そうな召喚が続いたために、珍しく、セットトップで通過することが出来た。
 そして、コロセウムの舞台を踏むための四人をふるい分ける、ダイア・マルチではさすがに失速したのか、四位通過と、滑り込みのような順位で終わっていた。

――やっぱり、これしかないかなぁ……
 とやや守りに入った気分でトパーズ・カテゴリー2のメダリオンを手にし、コロセウムに臨んだ。

「……あの結果で一位じゃ、無いの?」
 雷を浴びる結果になってしまったユリに、アメリアの慰めの言葉がかけられる。
「本当に僅差だったのよ。多分、何処かでの遅れが最後まで尾を引いたんじゃないかしら」
 と告げられ、ユリもヘコみそうになった。自分としては、出来うる限りの最速で詠唱を紡ぎ、撃破を重ねたつもりだったからだ。
「でも、気持ちを切り替えて、次でゴールドを勝ち取りましょ」
 とのアメリアの励ましに、ユリも、力強く頷いて応えた。


 結局、この日のユリの成績は、一戦目二位、二戦目五位終了となり、ラスクが戦うAランクに戻ることも出来ないままに、終える結果となった。

 この日を境として、何かが吹っ切れたのか、ラスクは、ペガサス・トーナメントでの決勝進出回数を重ねることが出来るようになり、予選第二セットに入ろうとした時点で、全員穴埋めに変化した回ではあったが、ゴールドメダルを奪取することに成功。
 対するユリも、そんなラスクよりも長期間、Aランクであるペガサスに留まることに成功。ペガサス・トーナメントでゴールドメダルの獲得枚数を、増やしていた。

 そして、『その日』は、二人の前に、突然、現れた。

To be continued... -> 『Across the BORDER.YURI side.#1』

ダベリ

蛇足になったかな? 冒頭のラスクとタイガのやりとりは。
は〜〜〜……長かった。ここまでで38話。なのに、まだ終わらない……
多分、『境界線』の時よりも長くなるような気がしてきた……すんません。構成力皆無で。orz

ま、今日は、こんなところで終了。明日からは……「Across the BORDER」。
いよいよね。
じゃ、また明日。