……昨日のひき方、「ラスク使いなのか、お前?」って言われても、文句言えないな。
スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
10月13日参戦後。ラスクのお披露目から、物語は続行でございます。
ところで、第1話へのリンクって……必要?
では、本文。
Across the BORDER.afterward.#3
<- 『Across the BORDER.afterward.#2』 「ごめんなさい。あんまり、ラスクが、その制服に小さすぎたから、思わず」 ラスクの抗議に、クリスも平謝りする他無かった。 「でも、早く、着せて貰っている、って印象から、着ている、って印象になるように頑張らなきゃね」 油断していると、溢れてきそうな笑いを噛み殺しながら、ラスクの気持ちを判っているかのように言葉を繋ぐ。と、ラスクの方も、彼女の言葉を承知していたのか、力強く頷いた。 「これで、満足?」 と、ユリが問いかけると、クリスも満足そうに頷いて応える。と、それに続けるように、ユリに問いかけた。 「明日の報告、その姿で行かれるんですよね?」 まるで、明日、ラスクのそばにいるのは、自分ではなく、ユリだと言いたげに。ユリも、その問いかけの答えは準備していたのか、ラスクの様子を伺うこともなく、応え始める。 「ルキアもうるさいしね」 突然出てきたルキアの名前に、クリスの方が、戸惑ってしまっていた。 「そうでなくても、ラスクにとって見れば、両親と同じ肩書きになったって報告でもあるんだから、晴れ姿で臨まなきゃね」 続いたユリの言葉に、クリスも納得したように頷いているのだが、不意に、頷くことを止めて、かしこまった態度でユリに向き合った。 「ちょ、ちょっとどうしたのよ?」 突然のクリスの変容に、ユリの方が戸惑っていると、 「ポーラスター様。私の弟、ラスク=エンライトンは、ご覧の通りの未熟者です。それでも、愚弟の手をとって歩むことを選ばれるのでしたら、どうか、傍にいてあげてください」 と、未だユリが名乗っていない、アメリアから授けられた名前で呼びかけた。 「クリス、どうして、その名前を、貴女が知っているのよ?」 「先生から聞いていましたから」 と達成感のようなものを漂わせながら、ユリの問いかけに、クリスは答える。 「私にも、興味はあったんですよ。もしかすると、妹になるかも知れない人の名前ですから」 「ちょっ!? ちょっと、なんて事言ってるのよ!」 「まだ、早すぎましたね」 あわてふためくユリに対して、優位に立っているようにクリスが言葉を繋いでいく。と、その言葉で落ち着きを取り戻したのか、少々どもりながらではあったが、 「そ、そう。まだ、早いんだから」 と、ユリも言葉を返していた。 「それじゃ、姉さん」 一般制服に着替えたラスクの呼びかけに、クリスも、短く応える。 「ちゃんと、父さん達に報告してくるのよ?」 力強くクリスの返答に応えると、準備していたかのようにラスクも言葉を投げ返す。 「次は、姉さんの番だからね」 「そうね」 いずれ言われるだろう事はクリス自身も覚悟していたが、思ったよりも早く告げられたことに、気持ちを新にしていた。 ――私も、エンライトンの子として相応しいところを見せなきゃならないものね。 To be continued... -> 『Across the BORDER.afterward.#4』