初日のRunner。#2

因みに、前回は、7/9
3週間も何をしてやがった? とか言われそうだけど、そんなことを気にせずに、適当にぶん投げる。

<-『初日#1』

 彼らが獣道を突っ切っている間、魔物に襲われることが無かったのは、僥倖と言わざるを得ないだろう。
 もっとも、ここに鎮座まします二体の魔物の存在が、それ以外の魔物を追い払っているという皮肉な現実があったせいかもしれないが。
「後は、奴さんが、どこで待ちかまえているのか、ってところなんだが……」
 五人全員が揃ったことを確認して、エリアルが状況が、どのようになっているのか確かめようと、問いかけるようにぼやく。
 と、そんなエリアルのぼやきを聞いていたからなのか、ラスクが、
「来るときは、限界まで引っ張り出して、一気に駆け抜けたよね」
 と反問していた。
「なんだが、あの虫。俺たちの気配を探ってたのか、しばらく追いかけてきてたんだよな」
「……奴のあの姿を見てると、なんというか、虫になった気分だな」
 ラスクの反問に続いたアトリウスの言葉に、エリアルは率直な感想を口にする。何度か交戦した記憶はあるのだが、その度に、一撃の下に、自分は戦闘不能に追い込まれており、その度に、施薬院の天井を見るハメに追い込まれているように感じていたからだ。
「誰が何になるのか、答えられますか?」
 と、自信の無さそうなエリアルの言葉に、ティターニアが続きを言葉にするように促した。
「ん? ま、そりゃ、俺は、バッタ。ラスクは、テントウ虫。前衛のお二方は、」
「私たちは?」
 エリアルが、ぼかそうとする語尾をティターニアが聞き出そうとすると、
「蝶になぞらえるのが妥当だろうな」
 とアトリウスが変わりに答えていた。
「蝶?」
「私としては、後衛のお二人が、シンリンチョウ。私は、はさみカブトだと思っていたんですけど?」
 アトリウスの返答に、怪訝そうな表情を覗かせて、エリアルとティターニアの二人が口々に言葉を返す。
「俺が、ティタさんとユリの二人を蝶となぞらえたのは、二人が、このパーティの華みたいなもんだからだ」
 と、アトリウスが反論の言葉を返すと、エリアルは、そのつもりだったからなのか、うんうんと頷いているし、ティターニアの方も、なるほど、と言いたげな反応を見せている。とは言え、アトリウスも、ティターニアの表現の意図を読み取っていたのだろう。
「で、ティタさんが言いたいのは、俺たち後衛の二人を、カマキリに屠られやすい虫と見なしたからなんだろうな」
 彼女が言わんとしている事を補うような言葉が続いた。
「それに、反論はないのかよ?」
 ティターニアの表現に、気に入らないところがあったからなのか、エリアルが噛みつきそうな勢いでアトリウスを問い糾すのだが、
「別に? 反論できる材料があったら、前衛に居るさ」
「それも、そうですね」
 あっけらかんとしたアトリウスの返答に、ティターニアも納得したように言葉を続けた。
「でもさ、こんな状況下で、こんなやりとりできるんだから、なんとか帰れるんじゃないかな?」
 皆のやりとりを見ていたからなのか、ラスクが安堵したような言葉を皆にかける。
「なんとかできるよね、きっと」
 と、ラスクの言葉を待っていたのか、ユリの表情も、どこか和らいだようにアトリウスたちには見えた。
「おーけー、全員準備万端ってわけだ」
 とのエリアルの問いかけに、皆は、静かに頷いて答えた。
「んじゃ、行きますか」
 五人は、生きて地上に戻るための行動を始めることにした。

しかし、こうしてみてみると、ティターニアってキャラの方向性が大きく変わったよなぁ。
最初に書いた彼女と比べると、今の彼女ってば、まさに「誰、テメエ?」。
まぁ、ソレもコレも、ティタとユリのキャラが被ってることに気がついちまったからなんだけどさ。

大元、と言うか、二次創作でのキャラとして世に顕したときから、ティタってのは、二人分の人生*1を同時に抱えているようなキャラだったから、おいらとしては違和感なかったんだけど……読者にしてみれば、そんなことはどうでもいい話。
「アンタ、ダレ?」って事になったり、「これが、ティターニア?」って言われても、反論できやしないんですがね。

さてと、十五階の主とか、その辺りの話もぼちぼち進めながら、書いて行くことになるんだけど……
結構大変だのぅ。
追いかける側も、書く側も(苦笑)。
んじゃね。

*1:サテライト・ティターニアとしての人生と、天城美乃梨としての人生。因みに、前者の方が、お姉さん系キャラ