『皆の往く途・歩く途』#63

……とうとう、63番目?
もうショートショートには思えない。orz


えーっと、とっかかりは、2/19。ヘッダというか、トップにリンク張ってあるから、今のところは、張らない。
とうとう8つ目。……破竹の快進撃(号泣)。orz

んでは、本文。

星空#5

<-『星空#4』

 窓ガラスの向こうに拡がる空は、色は濃藍に、主は月に変わっていた。
――ラスクとユウは別として、みんな、せんせが考えた名前貰てんのやな……
 鏡のように自分の姿が映る窓から、空を眺めてタイガは物思いにふけってしまう。
――……っかし、ガラスっちゅうのは邪魔、って表にでりゃすむ話やな。


 ユリが確保してきた食事を、堪能したところでラスクは、会場の中に、タイガの姿がないことに気がついた。
「ねえねえ」
「どうしたの?」
「タイガさん、見あたらないんだけど……どうしたのかな?」
 とのラスクの言葉に、ユリは、「そんなはずないのに」と否定する言葉で応えようと、その裏付けとなる本人を捜して視線を走らせるのだが、ラスクの言葉通り、どこにも彼の姿は見あたらなかった。
「っかしいな。ルキアのサポート役だから、居なきゃおかしいはずなんだけど……」
「でしょ?」
 と、念を押すようなラスクの言葉に、ユリは、確かめておく方が良いだろう場所があることに気がついた。
「ラスク、」
「なに?」
「ここで待っててね」
「どうかしたの?」
 今居る場所から動くつもりなど、欠片もなかったラスクだったが、ユリの念を押すような言葉に、思わず、聞き返してしまっていた。
「ちょっと確かめておこうと思う場所があってさ」
 と、ラスクの問いかけに応えたところで、彼女は窓から外の様子を窺った。

 濃藍色の世界には、彼が着ている制服の色は、あまりに馴染みやすかったために、見つけるのには、少々骨を折ったが、その露出度と、風に踊る羽根飾りとが、ユリには充分な目印になっていた。
――まったく。何を黄昏れてるのよ。
 と、壁にもたれて、黄昏れるように星を見上げているタイガの様子に、呆れそうになった。とは言うものの、居場所を見出したのに、その事をラスクに告げないのもどうかと思い、ラスクのところに戻ることにした。

「見つかったの?」
 とのラスクの問いかけに、ユリは頷くと、ラスクに問いかけた。
「外で星を眺めてるみたいなんだけど、どうする?」
「どうするって?」
「行く? 行かない?」
「え? でも……」
 突然の彼女の申し出に、面食らってしまい、返答に窮してしまったのだが、
――タイガさんが外にいるのって……もしかすると……
 と考え直し、短く応えた。
「行く」
「おっけ、じゃ、きまりね」
 ラスクがそう答えるのを待っていたのだろう。ラスクの出した結論に、笑顔で応え、会場から抜け出そうとしていた。

To be continued... -> 『星空#6』
コメント投げるまでもねーな、と思うけど、って人は、こっちの拍手から。

ダベリ

元ネタ、というか、きっかけになった画が公開されてから、どれだけ掛かった?
……5ヶ月超。orz
因みに、元ネタになったのは、毎度、お世話になります。らおう様の羅王道。こちらのですね、画廊のユリラス画。
これが公開されたときの記事が、こちら。できれば、間に合わせたかったんだけど、そんな、こっちの都合でねぇ。向こうの更新を縛るわけにゃぁ参りませんのことよ。と。


けど、ようやく……書きたいシーンを書けた、かな。最初の予定とは、大きく違った流れになったけどね。予想外に、大きな、というか、長い話になっちゃったし。
もう、なんというかね。大きな山場もないままですがね、一応、終盤に向かって動きが流れ始めているのと、後は、どうやって、この流れ、と言うか、設定を4のそれに移行させていくのか、ってところになってくるかもしんないねぇ。


さて、今週は、こんなところで。続きは、また来週。それじゃ、良い週末を〜