……『越境』並になってきやがったな、分量が。
そろそろ終わりそうではあるんだけど、まだもうちょっと終わりが見えてない感じ。
えーっと、とっかかりは、2/19。ヘッダというか、トップにリンク張ってあるから、今のところは、張らない。
現在、ようやく大詰めな、パート・その七でございます。
んでは、本文。
祝宴#3
<-『祝宴#2』 「んじゃ、ラスクとアロエちゃんの二人が、外で待ってる二人を連れてきて」 教室の中に入ってこないタイガと自分の分を除いた、残りの二つのクラッカーを、最後の一仕事と共に、ラスクとアロエの二人に、ルキアは託した。 「タイガさんが来るのを待たないの?」 とのラスクの質問に、ルキアも、若干困りながら、 「待ちたいのは山々なんだけど、待ったり、待たせたりしていると、向こう側のお姫様のご機嫌が、どんどん悪くなっていきそうなのよね」 と、端的な言葉で表現した。その言葉で納得したのか、ラスクは苦笑いを浮かべて、ルキアの言葉に頷いていた。 ――迎えに行くのは、二人で良いとしても、問題は、どうやってタイガに渡すか、なのよね…… と、ルキアが、未だに姿を見せないタイガに、どうやってクラッカーを渡すべきなのか、悩んでいたところに、 「はよ始めることできひんか?」 と、慌てて入ってきた様子のタイガの声が、届いた。 「ちょうどいいところ!」 と、ルキアが歓声を上げるが、今し方会場に戻ったタイガにしてみれば、何が良いところなのか、さっぱり判らない。 「二人とも……ちょっと待った。ラスクも、アロエちゃんも、クラッカーは、袖口か折り返しに忍ばせる」 可能な限り、感付かれないようにしろ、とのルキアの言葉に、ラスクもアロエも、それぞれがそれぞれなりに、考えてクラッカーを忍ばせると、会場の外で待っている二人のところに姿を消した。 「はい、これ」 二人がクラッカーを忍ばせたのを確認したところで、ルキアは、手元に残った最後の一つをタイガに差し出した。 「なんや?」 「見ての通りのクラッカー」 「それは判っとる。なんで、俺に渡すんやって」 ルキアの行動の意味がよく判らない、と言葉と表情で答えたタイガに、ルキアは呆れたように、 「ユリとヤンヤンの誕生日を祝うために決まってるじゃない」 とキッパリ断言していた。 「じゃなきゃ、一人でも手数の欲しい時期に、ラスクまで購買に回したりしないって」 「ったく。タイガの態度は、明らかに、なんか隠してるのよねぇ」 締め上げてでも追求しようと息巻いていたのか、両腕を組んでユリは、口を尖らせている。 「ルキアが関ってる以上、別の狙いがあることは、言うまでもない事ネ」 とげとげしい気配を周囲に垂れ流しにしているユリに、落ち着くように、との含みを持たせた言葉を、ヤンヤンがかけた。そんな彼女の言葉が気に入らなかったのか、いぶかしむようにユリが問い返す。 「別の狙いって何よ?」 「どうして私たちが、ここに居なきゃならないのか、そっちを考える方が先決かも知れないヨ?」 「私たち?」 ヤンヤンの言葉に対して、「よく判らない」との表現を示すことが、その時のユリにできた最大限の返答だった。 To be continued... -> 『祝宴#4』コメント投げるまでもねーな、と思うけど、って人は、こっちの拍手から。