んなワケで、昨日の、最悪の一問に関して。
人生最悪の日
ケルベロスでのトーナメントの予選第二セット。アクアマリン・グラフでのことだった。 見えてきた輪郭は、少女とカブトムシのような格好の異形。見た感じ、二体同時に撃破するタイプの異形のように、ユリには見えた。 「えーっと、確か、乗っている女の子が、……だから、これは……」 と、迷うことなく詠唱を紡いでいく。と、彼女の詠唱が完成した瞬間に、少女の姿を取った異形の方が、歌を、レコ唱歌と呼ばれる歌を歌い始めたのだ。 「!!!????」 その瞬間、ユリの表情が蒼白になる。 ――やっちゃったぁ…… 他の参加者は、確定するのを待っていたのだろう。彼女とは違うが、正確な詠唱が続き、全員の詠唱が終わった瞬間。 「ぽーん!」 とのかけ声と共に、『何かの実』を投げつける。 正確に、詠唱していた参加者の光弾が、正確に投げつけられた『何かの実』に向かって飛来していく。が、ユリの放った光弾は、少女の身体めがけて向かっていったために、少女の危険を察知したカブトムシ型の異形の攻撃により相殺されてしまった。 光弾がソレに触れた瞬間、予想外の近距離でサクレツした事が少女の身体を吹き飛ばす。が、ユリに向かって投げつけられたソレは、そのまま彼女のそばまで飛来して、衝撃波でユリを吹き飛ばす。 「ぎゃぼー!」 「やっちゃってる……」 ほぼ単独に近い、撃破ミスをしてしまったところを見ていたラスクは、溜息混じりにつぶやいた。ぼやくようなラスクの呟きの意味を理解できなかったのか、タイガが「訳が判らない」と言いたげに問いかける。 「……どうしたんや?」 「多分、舞い上がって、タマと綴るべきところを、サマと綴っちゃったんだと思う」 とあっさり答える。 「一文字違い、なんか?」 とのタイガの言葉に、ラスクは頷くと、すぐさま言葉を継いだ。 「あの二体は、どちらが主体になるかで綴るべき言葉、狙いが変わっちゃうんだ。カブトムシ型の異形だったらサマ。さっきみたいに、女の子の方が主体だったら、タマ、って具合に」 「厄介なもんも仕込んであんのやな……」 「舞い上がらなかったら、討てたはずなんだけど……大丈夫なのかな?」 「蓋を開けてみやんと判らんやろ、こればっかりは」 とタイガは答えていたが、結果は、ラスクの不安通り、九位で第二セット敗退になっていた。
……そう。「虫姫さま」と「虫姫たま」の一件さ。orz
持ってたボールペンを折るだなんだって以前に、筐体に突っ伏しまたよ?