『越境〜光もたらすものと標星〜』#12

彗音姉の歴史を隠す程度の能力って……本当に欲しい能力だわ。そうか、記憶を抹消してしまう程度の能力……

……どうして、こんなこと言ってるかって?
そういう気分になったからですよ。でも、読んでる人にとっては、『それ』があったことも……「なかった」よりも良い、って事に繋がっているのなら……幸い、かな。



スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
現在Part2というか、Part1-Section2ってところ。第1話へのリンクは、トップに……って、トップから消えてたらどうするんだろうね?(ぉぃ)
では、本文。

To the BORDER, It is 3 steps more.#2

<- 『To the BORDER, It is 3 steps more.#1』

「……参加回数は、倍。下手すれば、桁の違う相手と当たるのがペガサスだって」
 ようやく言葉を返したラスクだったが、その口調は、整理がついていないのか、重いままだ。
――倍から、桁違いか……とんでもない話やな。
 伝聞ではあるが、カイルの言葉を耳にして、タイガは、肩をすくめながら溜息を吐く。
「イライラすんな、とは言わん。が、お前さんがこだわるAランクってのは、今は、そういうランクなんやろ?」
 と確かめるように問いかける。その問いかけに、ラスクは頷いて応えた。
「そういうランクでメダルを奪い取ってくるには、追い風が吹くのを待つか、出し抜くかしかないやろ?」
 とのタイガの言葉に、ラスクは首を振って応える。
「それじゃ、運がいいだけなんじゃ……」
「あほ」
 反論を、一刀両断され、ラスクがむっとする。が、タイガは、そんなラスクの様子を気にもかけずに、別の言い方で切り返した。
「『運も実力のうち』言うやろ?」
 こう切り返されたせいか、ラスクも返す言葉を見出せない。
「勝てたことは、運が良かった、天の配剤。でも、負けてもうた時は、自分が至らんかった、なんて当たり前に言えるお前さんやから、俺はこう言うんやぞ?」
 タイガが、自分に何かを押しつけているわけではないことぐらい、ラスクにも判っている。が、どう答えればいいのか、皆目見当が付かない。
「負けて悔しい、踏み台にされて悔しい。そう思う事自体は、悪いこっちゃ無いやろ。バネになるやろうからな。ただ……」
「ただ?」
 珍しく口を濁したタイガの語尾を、ラスクが繰り返した。それが、タイガの狙いだったのか、待ちかまえていたように言葉を繰りだした。
「今のお前さんは、悔しいと思うより、自分の身の丈をわきまえるべきとちゃうか?」
「わきまえるって……」
 どうすればいいのか判らないと、言いたげに、自分の言葉を繰り返したラスクに、タイガが言葉を畳みかける。
「メダル獲れんでも、腐るな。っつうこっちゃ」
「でも」
 珍しく、というべきか、ようやくと言うべきか。反論しようと、食らいついてきたラスクの虚をつくように、別の方向からタイガが斬りこんだ。
「一番未熟やったから、コンプリートでのトップ、って事になったんやんな?」
 と聞き返され、ラスクは返答に詰まった。タイガが言っているのは、自分だけがコンプリートを決めたエルフでの一戦ではなく、二人の賢者とともに達成した、ペガサスでの一戦のことだと、察してしまったからだ。
「……うん」
 重くなった口を開いて、頷く。それが、ラスクに出来た、唯一の返事だった。

To be continued... -> 『To the BORDER, It is 3 steps more.#3』

ダベリ

取り敢えず、タイガ兄ちゃん、介入です。なんというか、良いポジションにいるよね。タイガ兄ちゃん。……って、俺がそう言う配置にしたんか。(しっかりしろ)
でも、タイガってこういう気遣いができても不思議じゃない感じがするのよね。って、QMA2での初期の優勝画面を知っている影響かも知れないけどさ。銀銅分割以前の優勝画面は、さわやかキャラだったのに。
閑話休題
男子勢で世話焼きキャラに配置しても、違和感がないのって、カイルと、サンダースと、タイガぐらい、かなぁ。って。サンダースは、父性的な。カイルは、母性的な、で、タイガは兄者的な。って感じにね。だもんで、そういう方向性にするように心がけてはいるんだけどさ。

ま、今日はこんな感じで。続きは、また明日。

……だめだ。精神的に、物凄く不安定になってる。

ケルベロスに上がりたい……ケルに上がって、あの人たちの足もとに追い着きたい……