互いが互いを目標とすること

ラスク:
 ユリってさ……強いよね……
タイガ:
 ん? ここぞでの勝負強さはあるな。確かに。
 けど、どうしたんや、突然。
ラスク:
 だって、賢者向こうに回して、コロセウムで天辺獲るってさ……
タイガ:
 お前ら二人、方向性が違とる気がするからなぁ。
 ラスク。お前が、ユリに負けとるのは、おそらく勝負強さや。で、ユリがお前に負けとるのは、安定性やろな。
 俺は、お前らが、互いを目標にするのが、一番の解決策やと思うんやけどな。
ラスク:
 そんなもの、なのかな?
タイガ:
 俺は、それでええと思うてる。
 ……ところで、ラスク。
ラスク:
 何?
タイガ:
 ユリの奴、自分がお前の目標なのかどうか、確かめたか?

――ラスク、頭を振って否定の意思表示。

タイガ:
 それやったら、言うたれ。自分の目標は、ユリだから、って。
ラスク:
 言った方が良いのかな?
タイガ:
 言えへんかったら、いつまでたっても、王子様だっこされる立場のままやぞ(笑)?