もうちょっとだけ、『境界線』。

Appendix#1『幕間#3・私が一番聞きたい話』postscript

「そうだ、ラスク」
 何事か思い出したのか、手を打ちながら、クリスが呼びかける。
「なに?」
「Might and Magicって言葉、知ってる?」
「Might and Magic?」
「簡単にいっちゃえば、力と魔法。何かさ、ユリさんとラスクにピッタリの言葉だと思って」
「頭文字、一緒なんだね」
「嬉しい?」
「ちょっとだけど」
 とは言っているが、笑みがこぼれているだろう表情が、クリスの脳裏には浮かぶ。
――ユリさんなら、任せても良いかな……ちょっと、過ぎる傾向があるのが困りものだけど、きっとそのうち、落ち着いてくるよね。
 アカデミーに来る前後。ユリと出逢った前後のラスクの変化を思い返して、クリスは、そんなことを考えていた。

これは、オチというか、ヒキが重複したので、カットした部分。クリスとシャロンという、ラスクの二人の姉の、ラスクへの意識の違いを明確にするための部分の予定だったんだけど……クリス自身が、ユリに対して明言してるから、必要なくなった部分だよね。

Appendix#2『もう、準備期間だよね……』

ラスク:
 あのね。
ユリ:
 なに?
ラスク:
 準備期間、入っちゃってるよね……
ユリ:
 そうだね。
ラスク:
 けど、『ここ』に居るんだよね。
ユリ:
 うん。
ラスク:
 ルール違反、だよね……
ユリ:
 そうだよ
ラスク:
 今回、フェスタ、出ないから。
 ユリも、やりにくいでしょ? 僕も出たら。
ユリ:
 それじゃ、ラスクの分も頑張らなきゃね。
ラスク:
 そ、そんなつもりじゃなくて
ユリ:
 判ってる。でもさ、ラスクと一緒に戦うつもりで出るから。気にしなくても良いんだよ。

5月8日に書いた、『宴の後で』に関ってくる部分。本当のことを言うと、これも含めてしまおうかと思ってたけど……含めると、冗長になるからね。ばっさりカット。
でも、出さないと、「?」って部分が残るんじゃないかな、って思ったんで、出してみた。