最後の場面、最後の言葉に向かって、物語は流れていくのです。

この最終ブロックのタイトル。今までのフォーマットで考えると、幕間の方が相応しいような気がする人もいるかも知れないけど……この言葉じゃないと、しまらないような気がするんだよね。
だから、この言葉にした。

では、いつもの。
大まかなおさらいは、00年02月01日に。話の頭自体は、今年の5月1日から。このブロックの先頭は、昨日12日から。

貴女(ユリ)じゃなきゃ#2

<-『貴女(ユリ)じゃなきゃ#1』

 ラスクから見えない場所で体操服に着替え、スカートを脱ぐと、ユリはラスクの手をとって、購買部まで出向こうとする。と、ラスクが質問を投げかける。
「ジャージ、どうしてはかないの?」
 「紛い物じゃないんだよ」との言葉で、スカートを外したフィギュアと同じような格好で、ラスクのことをからかった後に、大抵着替えとしてはいているトレパンのことを思い出したから出た質問だ。今の彼女は、普段、つまり、制服姿なら、レガースやスカートに覆われている脚線美を、惜しげもなく見せつけている。
「ラスクの目の保養になるかな、って思ったのに?」
 本気と冗談の境界線を曖昧にするような表情でユリが言葉を返すと、
「そ、そういう意味じゃなくて!」
 と血相を変えたようにラスクが応える。
「そっか。誰かに見られるのがイヤなんだ」
 ラスクの言葉に、思い当たる節があったからなのか、ユリが納得したと言いたげな表情で応える。と、ラスクが、困ったような表情を浮かべて、頷いた。
「だったら、最初からそう言えばいいのに。いつでも見えるように……って、するまでもないか。ラスクもフィギュア持ってるもんね?」
「そうじゃなくてさ……」
「なに?」
「そうでなくても、ユリだけ、そんな格好してたら、『何か』在ったって誤解されちゃうじゃない」
「そんなこと言ってたら、ラスクも同じように体操服に着替えてる方が、もっと誤解されると思うけどな」
 正論と言えば正論のユリの反論に、ラスクは、返す言葉を見つけられない。
「お互いに決めたことだもんね。『先に進まない』ってのは。けど、ラスクのリクエストなら応えないわけにもいかないし。もう少し待っててくれる?」
「うん」
「でも、本当にラスクってば、欲張りだよね。別に裸を見せる、って訳でもないのに、ジャージはけって言ってみたり。そんなに、私を独り占めしたい?」
 他意を込めてのことなのか、ラスクには判らなかったが、何気なく出たユリの言葉に、顔が真っ赤になってしまう。
「そ、そんなつもりじゃないんだけど……」
「ウソつくのは、この口?」
 とラスクの反論に、ユリは彼の頬を引っ張ることで応えていた。
「痛いなぁ」
「今は、二人きりなんだから、正直な気持ちを言っても良いんだよ?」
「独り占め……したいよ」
――本当に、私で良いの?
 自分で引き出しておきながら、ユリは、ラスクの素直な言葉に、胸が痛んだ。

To be continued... -> 『貴女(ユリ)じゃなきゃ#3』

今日のあとがき(ダベリとも言う)

このブロック、今まで以上に、分量にばらつきが……
ごめんなさい……構成力不足で。

えーっと……今週の土日、どうしよう?
手元では、完成してるってのは、表明してあるから、負担にならないことは判ってくれてると思うけどさ。どっちみち、今度の土日は、期が半月期になってるから、美乃梨さんにゃ、行くなって云われるわけだし。

まぁ、メンテナンス作業に、デフラグも追加される日なんだけどさ。今度の土曜日は。
さーてと……どうしたもんかね。