岡本太郎って……すげぇ……

太陽の塔と同時期に、メキシコで氏が描いた壁画『明日の神話』。
氏が依頼され、設置するはずだったホテルは、依頼者が破産したために建設が頓挫。壁画自身も、行方知れず。氏の死後、“戦友”でもあった岡本敏子女史が、『終の仕事』とばかりに探索し続け、見つけ出し、修復されたそれの除幕式、ってな経緯を流す特別番組を見てたんだけどさ……

それを見て、愕然としたのが、氏の作品が持っているパワーの凄まじさ……
絵を見て、初めての経験だった……
テレビの画面越し、つまり、数枚のフィルターがかかった状態で、それを見ているというのに……


背筋を冷たいものが走った感覚を受けたのは……

過去の作品、それぞれに、パワーの奔流があった。番組では、氏の言葉にあった、『芸術は呪術だ』にポイントをおいて、経緯を紹介していたけど……そんなものなくても、有るモノを伝えるだけでも、充分なインパクトがあった。
『打てば響く』なんて甘いものじゃない。『渾身の一打をもって奏でる音で受け手を撃てる』作品群……それが氏の作品だった。

そして、番組の最後で、ようやく公開された『明日の神話』。あまりに離れた場所から撮影された影響か、他の作品に比べると、インパクトは弱かったが……
それは、もしかすると、あまりに凄まじすぎて、その実態を掴みきれない、恐ろしいほどのエネルギーを秘めた作品なのかも知れない、って思えた……
機会が有れば、本物に逢いに行きたい作品。
絵画作品で、初めて、そんな気分にさせられた……

でも、実際に見に行ったら、パワーに当てられて、身動き取れなくなったりしてね(苦笑)。

最後に。
『終の仕事』を成し遂げ、鬼籍に入られた女史に、黙祷を。
氏と女史の遺志を継いで、復元を成し遂げられた方々と、見出せるように縁を結ばれた神の配剤に、感謝を。