『境界線(仮)』#34

今日は、辛うじて書けてたけど……明日以降は、ぱったり止まるかも……(汗)。
この話自体は、書き上げさせるからいいけど……次以降、は、どうなるか……
金曜日に、次の話を未定としましたが、転換が入るってことです。
ので、今日から、新しいブロックの始まりです。
話の頭は、5/1。で、大まかなおさらいは、00年02月01日に。このパート用の記述も追加しておきますから。

ラスク・Expert#1

<-『幕間#3・私が一番聞きたい話#9』

「はーい、それじゃ、朝のHRを始めるわよー」
 とアメリアが、教室にはいると同時に挨拶がてらの言葉を投げかける。
「えーっと、ラスク君以外は、全員揃ってるかなー?」
「せんせー、ユリが少々いじけてまーす」
「余計なお世話!」
「はーい、タイガくんは、そういう報告する前に、トーナメントに参加しようねー」
 そんなたわいないやりとりが続く間、アロエはユウの傍にいた幽霊の少女の姿が見えないことに気がついた。
 どうしたんだろう? と思いはするが、声に出すのがちょっと憚られる内容のように感じたので、胸の裡にしまっておいた。
――ラスク君も休んでるし……その事と関係あるのかな?


 賢徒の碑[けんとのいしぶみ]。
 アカデミーの一角には、こう名付けられた碑がある。
 五賢者たちの後継者との意味合いも含む「賢者」の称号をうけ巣立った者達が、その生涯を閉じた際に、その名を刻みつける碑だ。
 このアカデミー自体、世界を覆う『謎』という瘴気を払った五賢者たちが、一度では終わらぬこの戦いに備えて、後継者を育成するために設立されたものであることを鑑みれば、この碑の存在は、必要不可欠と言えるだろう。


「快晴だね」
「ほんと。報告には、これ以上ない日和ね」
 まぶしそうに、空を見渡してクリスが、ラスクの言葉に応えた。


 この碑に、新しい名前が刻まれる、と言うことは、一人の賢者が喪われたことを意味するのだが、幸いに、と言うべきか、不幸にも、と言うべきか、ラスクたちが上級号を授かったことを報告に来たとき、その末端にはサツキとの名が刻まれたままだった。


「これで、旦那様と同等だね」
「そっか……お養父(とう)さん、上級号もってたんだっけ」
「って言っても、魔術士としての階級が同じなだけで」
「言われなくても判ってる。人生経験は、お養父さんのほうが長いから、敬う気持ちは忘れるな、でしょ?」
「判ってるのなら良いんだけど……それじゃ、ラスク、」
「ちょっと待って」
 碑を前にして、報告を始めようとしたクリスをラスクが制した。
「どうしたの?」
「ナイジェル、ナイジェル……取り敢えず、無しっと」
「ナイジェル氏が、どうかしたの?」
「姉さんと、ここに来てるのレオンさんにバレた時にさ」
――何が目的で、あそこに行ってるのか知らねぇが……行くんだったら、一つ頼みたいことがある。俺の親父、ナイジェル・ハートの名前を探してくれ。在ればあったで諦めがつくし、無いなら無いで手を尽くすだけだから。
 と言われたことを思いだしたのだ。
「ナイジェル、って名前を探すように言われたんだ」
「レオンさんに頼まれて?」
「うん」
「そう……」
 安否の情報をここに頼る他無い、と言う状況がどれほど辛いことなのか、クリスには想像も付かなかったが、それに向き合うことへの恐さは、痛いほど判っていた。
「お嬢様と同じ年の頃だもんね……」

To be continued... -> 『ラスク・Expert#2』

レオンさん(君?)のファミリーネームを、ハートにするってどういう神経?(笑)
しかも、そっからの繋がりで、父親の名前を「ナイジェル」にするとかさ。ちょっと安直すぎると思いません?
……って、意味が判らない人もいるかも知れませんね。往年のF1パイロットにナイジェル・マンセルが居ました。彼の異称の一つに、「ライオン・ハート」と言うのがあって、って、ここまでいえば、もう判りますよね。ね? 安直でしょ?