ストックがあるから、とっとと上げられる。

……身も蓋もない言い方とはまさにこのこと(苦笑)。
さぁて、ストックがあるのも、あと2日分。
……書く時間が取れそうなのは、今日ぐらいしか無いじゃん(汗)
今やってる話全体の所在分布は、昨日の「再開はもう少し後でね」に記載。
しかし、こいつで5番目のパートになるのか……早いもんだ。

Break the Wall 2nd Half #2

<-『Break the Wall 2nd Half #1』

 ラスクが、その日、三度目のコロセウムを目指して、自分よりも上位の階級の面々を向こうに回しての高速戦を凌いでいる頃。タイガとユリが観覧席に姿を現した。
 ラスクの戦績をなぞる程度に知っていたタイガにしてみれば、来るつもりなど毛頭無かったのだが、自分のことでもないのに、そわそわしているユリの様子を見ていると、連れてくるのが手っ取り早い方法のように思えたからだ。
「タイガはさ、こわく、ないの?」
 躊躇うことなく、この場所に連れてきたタイガに対して、場の雰囲気に呑まれたような態度のユリが問いかけた。
「何が?」
「ぶっ倒れるまで、トーナメントに出るんじゃないか、って」
「お前と一緒にすんな」
 見つけた空席にふんぞり返るように座ったタイガが吐き捨てるように答えた。が、その視線は、ラスクが参加しているだろうトーナメントの動向に向いている。
「苦手に逢うと低空飛行してまうが、そこにおることが当たり前のツラして、第三セットに臨んどるやないか」
「強い、んだよね」
「実力的には、上半分やろな。俺が知る限り、あいつは、八割方メダルに絡む戦いをしとるわけやし」
「能ある鷹は爪を隠してたんだ……」
「そのかわり、お前みたいに、へこたれず前に進めるってタイプやないかもしれん」
「え?」
「昨日の八つ当たりの理由、何か知ってるか?」
「まさか、脅して聴いた訳じゃないでしょうね?」
「んな真似するか、ボケ」
 憮然とした表情で答えたタイガに、ユリがクスリと微笑んだ。
「多少は気紛れたようやな」
「タイガは、ラスクのこと信じてるんだ」
「あぁ。さっきの話に戻すとな、昨日のあいつの八つ当たり。結果が出せへん、なんて理由やったんやぞ?」
「結果が出ないって……?」
「聞いたらわらうぞ」
「どうして?」
「予選第2敗退とゴールドメダル奪取で、それや」
「……それじゃ満足できなかったんだ」
「らしいな」
「何をやってもダメな日だったってワケじゃないのに」
「言い訳をしとうないのか、出来へんのか……俺には判らんけど」
 エルフであるからこそ、と言うべきか、それとも、本当にエルフなのか、と言うべきか。免疫のないタイガは言うに及ばず、その上位ランクでもあるユニコーンでの戦闘を経験しているはずのユリですら、あっけにとられるような高速戦に巻き込まれつつも、ラスクは自分のペースを乱していないように見えた。
 まるで、その結果が当然と言わんばかりの表情で、タイガはユリに言葉をかけていた。
「言い訳するぐらいなら、前向いて歩き続けようとする意志を持ってるところ、お前から教わったように思えるんやけどな」
 タイガが親指で示した決勝進出者の中には、ラスクの名前があった。

To be continued... -> 『Break the Wall 2nd Half #3』

……っとね、分量普通めなの今日ぐらいしかないかも知れない(汗)。
ここの部分、本当に書き進めにくくて、『こいつはダメだ、冗長になる』と思ってばっさりカットしたら、構成上での分量が取れなくなるとかさ。orz
実に、厳しい。
もう少し先に進めば、やりやすくもなるんだけどね。