美乃梨: やりゃ、できるじゃない。 ふゆざき: ……ぎ、ぎりぎりせーふ? 美乃梨: ってところね。 多少は取りかかっていた事もあったとは言え、食事したり、ちょっとした休憩を挟んだことを思えば、充分なペースね。
これで、後顧の憂いなく、いろいろできそうです。はい。
いろいろ追い込まれた結果なもんで、本格的にいろいろ考えている余裕がないです。殺風景かも知れないけど、今夜は、こんなところで勘弁してください。はい。
幕間#2・昨夜聞かされた話#7
<-『幕間#2・昨夜聞かされた話#6』 クリスとラスクの関係とその生い立ち。また、クリスたち二人とシャロンの関係。それらに関する事を当事者でもあるシャロン自身の口から語られたことが、ルキアを始めとした面々の舞い上がりとも言えるテンションを冷ますように下げたからか、流れ解散的な雰囲気のままに、その晩は消灯・就寝となった。 : : 「ふ〜ん……」 タイガの生返事に、ユリは溜息を吐く以外の行動を選ぶことができなかった。 「もうちょっと、他のリアクションはないの?」 「って言われても、俺は言うたはずやけどな。聞き流されても、文句は言うなってな」 ユリから話を聞き出す際に、タイガは真っ先に伝えたことを繰り返した。 「だからってさ……」 「前にも言うたやろ。本人が話せるようにならな、意味がないって」 「だからって聞き流すのも、どうなのよ?」 「初めて聞いたフリするのも、優しさってな」 ユリの抗議に、屈託のない笑顔でタイガが答える。 「知らない、タイガがうらやましいな……」 「とはいうものの……いざラスクの口から聞いてしもうたら……ウソつききれんやろな。俺も」 弱気なタイガの言葉が、意外だったのだろう。びっくりした様子でユリが彼を見返していた。 「ほれ、俺って、自分に嘘吐けへんから」 : : 「ふにゅ?」 誰かが身体を起こした気配に感付いてしまったために、ユリの意識は、微睡の中にあった。 「ユリさん、ユリさん」 「!?」 自分を揺り起こした人物に気がついたからなのか、瞬時に目が覚める。その気配の変化に感付いたのか、彼女を揺り起こした人物が、彼女の口を塞ぎ、静かにするようにと言いたげに、人差し指を口に当てる。 「わ、私はノーマルだからね」 「何を言っているんですの?」 とっさに出たユリの言葉に理解できない、との表情を覗かせてシャロンが聞き返す。 「?」 「ユリさんだけに言っておきたいことと、尋ねておきたいことがあったから、今こうしているだけですわ」 潜めた声ではあったが、シャロンの言葉には偽りがないように聞こえた。 「聞きたい事って何よ?」 「ラスクを選んだのは、同情ですの? それとも、そんなのとは無関係ですの?」 「!? バッ、バもごんご」 「声が高いですわ」 大きな声で、反論しようとしたユリの口を、すぐさまシャロンが手でふさいだ。自分が間違っていることに気がついたからか、ユリも、そうされた理由に納得し、言い掛けた言葉を一旦止めて、シャロンの手が離れるのを待った。 「バカにしないでよ。同情なんかで、年下のラスクなんて選べるわけないじゃない」 話せるようになると同時に、潜めた声でシャロンの言葉に、ユリが応える。 「ほっておけない、ってのは直感したことだし、関ってないって言ったら、嘘になるけど、同情でラスクを選ぶほど、人が出来てないんだから。これで良いの?」 「それを聴けて安心しました」 予想外の言葉に、ユリの覚悟が空回りする。 「それと、あの子の表情、取り戻してくれてありがとう」 「面と向かって感謝される覚え、無いんだけど」 「気になさらないで」 「私もね、ラスクが選んだのが、あなたであることが気に入らないんだから」 To be continued... -> 『Break the Wall 2nd Half #1』
取り敢えず、一段落。ユリの悩み事相談会はね。
予定している日程は、今2日目だから……2日目の夜があって、3日目の朝があって……ラストブロックをどうするか、だな……でもさ、盛り上がりのない話だよねぇ(笑)。
つきあいの良い皆様には、頭が下がりますです。はい。