ごめん、タイガ兄ちゃん……

本当にぶっとばされてばっかりだ。

口は災いの門*1

 じゃれ合っている、というより、一方的にユリがラスクを引っ張り回している様子を眺めて、呆れたようにシャロンがぼやく。

シャロン:
 あんなじゃじゃ馬のどこが良いのか……
 私には理解できませんわ。

シャロンのぼやきを聞きつけたのか、タイガがシャロンの隣で、やり返すように言葉を受ける。

タイガ:
 それ言うたら、あんなちんちくりんの、何処に俺が負けとるっつうんや?

遠回しなラスクへの悪口を理解したのか、シャロンが反論する。

シャロン:
 ラスクは、あなたみたいな野蛮な方とは違って、聡明ですから。
 飛び級で、私と同級生になるなんて、誇りでもありますわ。
タイガ:
 それ言うたら、ユリは、優等生タイプやないやろうけど……
 センスはラスクに勝るとも劣らへんのとちゃうか?
 それに、
シャロン:
 それに?

タイガ、シャロンの体型を一眺め。意味を悟ったか、シャロン、タイガの正面に。

タイガ:
 あんたとユリやったら、大多数は、ユリ……

タイガの言葉、くぐもった音で止まる。

シャロン:
 口は災いの門、と申しますわ。お気をつけあそばせ。

正拳突き一閃。引きつった笑顔――当然目は笑ってない――で、タイガを一睨み。足早に、退場。

タイガ:
 ……ゆ、ユリとおんなじかい。この手の早さは。
 けどな、全員とは言うてないの、判っとるんかいな?

こうやって小出しにしてるシーンでのタイガ兄ちゃん……ぶっとばされてばっかり。でもね、でもね……真面目に書いてる部分では、それなりに格好良くなってる……と思う(視線逸らし)。
あっちでも、良いとこなしだけど。

*1:「門」とも表現することもあるのです。