#06・『幕間#1・時間的空隙』

いい加減、全体タイトル考えた方が良いかな……とはいうものの、一応付いてることは付いてるのよ。
『境界線』ってね。ただ、そのタイトルは、ちょっとずれてるような気もするし……タイトルを付けるって、本当に難しい。

幕間#1・時間的空隙

最初から読みたい人向け→『境界線』第一幕「ラスク・Pre-Expert」

<- 『ラスク・Pre-Expert』

「皆さん、俺の弟分が、えらいお騒がせしましたー」
 ラスクのイライラを少しでも和らげることができたと思ったのだろう。彼の背を押すようにして、教室に戻った。
 二人が、外で何事かを話していたことは、事の成り行きを伺っていた者達には判っていたことだったが、我関せず、との態度で読書にふけっていたセリオスだけが、ラスクの八つ当たりを見遣ったときと同じ動きで、二人を一瞥した。
「ま、取り敢えず、どうしたいのかは、お前さん次第や」
 背中を押すように、ラスクに耳打ちするとタイガは自分の席に戻っていった。

――もっと、識らなきゃ……
 タイガの耳打ちに後押しされたように、ラスクは自分に気合いを入れて、サンダースのところに向かった。

「あのさ、サンダースさん」
「何事かな?」
「調べ物、付き合って欲しいんだけど」
「吾輩よりも、タイガ殿の方が良いのではないか?」
「タイガさん、付き合ってくれそうにないから」
 とのラスクの言葉を受けて、彼がタイガに視線を向ければ、申し訳なさそうに両手を合わせるタイガの様子がうかがえる。
「仕方ないな……」
「ごめんなさい」
「いや、構うことはない。教えあう事自体は、互いに益のあることだからな」


〜   〜   〜   〜   〜   〜


「どうしようかなぁ、これ……」
 ベッドの上で、ユリは思案していた。
 着替えの準備は終わった。もう鞄に詰めてある。が、今、彼女の眼前で鎮座する代物は……持ち歩くことなど、最初から考慮して、いや、されていない。
 そうでなくても、ルキア主催のパーティの主賓というか、『主菜』と言うのが自分の立場だ。下手に、これを持っていけば、針のむしろ、というより、質問の集中砲火を浴びることになるのは確実だろう。
 自分だって、ラスクが「これ」を持っていたときは、思わず質問をぶつけていたんだから。
「ゆーりー、じゅんびできたー?」
「いっか。もう隠しようがないんだし」
 鞄は誰かに持たせよう。と決心して、ユリは、『決戦場』に向かうことにした。
To be continued...->『Break the Wall 1st Half#1』

この次から、一日目(書き手にとっての)最大の山場が待っとるよ。しかも、そのセクションのタイトル、考えてねーよ。どーすっかなー。
泣きたくなるよ。もう……

休まないように心がけつつも、それ相応のタイトル考えるようにしよう……