#14・『To the BORDER, It is 3 steps more.』#4

正直なことを言うと、今のセクションは、すっげー気持ちが空回りしてる(苦笑)。自分でも、痛々しいぐらいに空回りしてるのが、わかるんだものなぁ。って、今書いてる部分でも、空回りしてるんだけどさ。orzセイチョウシテナイッテコトジャン
まぁ、そんな感じで。ね。どうでも良い前口上は、これぐらい。


スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
現在Part2というか、Part1-Section2ってところ。第1話へのリンクは、トップに……って、トップから消えてたらどうするんだろうね?(ぉぃ)
では、本文。

To the BORDER, It is 3 steps more.#4

<- 『To the BORDER, It is 3 steps more.#3』

「なによ!? メダルが取れないぐらい!」
 気がついたら、そんな言葉が溢れだしていた。が、「取れないぐらい」との言葉が癪に障ったのか、噛みつくような勢いでラスクが言葉を叩き返す。
「取れないぐらいって! ユニコーンででも、上級とか星の数の少ない魔導士の踏み台にされる気持ちなんか、ペガサスでゴールドを獲ったことのあるユリには、判らないんだ!」
 一触即発という状況を、数秒前に置いてきてしまった二人を、タイガが一喝する。
「お前ら二人、まず、深呼吸せえ!」
「「だって……」」
 同時に弁解しようとしたことに気がついたのか、思わず、ラスクを睨んでしまう。
「一回、頭冷やせ」
「言われなくたって、そうする!」
 と一方的にまくし立てると、踏みならさんばかりの勢いで、ユリはその場を後にした。
「ぼくも」「お前さんは、俺の目の届く場所に居ってもらわんとな」
 背後では、引き止めるタイガの言葉が、その場を離れようとしたラスクの言葉に被さっていた。


 教室の出入り口が、ユリの取り扱いに抗議の声を上げる。皆の注意が、ユリに注がれる格好になったのだが、当の本人は、皆の気持ちなど何処吹く風。意にも介さずに、自分の席に戻っていく。
 沈黙が教室を支配したのは、ほんの数瞬。沈黙は、あっという間に、それまでのダベリやざわつきにかき消されはした。が、「下手に目立てば、下手に動けば、的にされる」とのイヤな緊張感は、沈黙が消えた後でも、教室にどっしりと腰を据えている。
 
 別に、手が出てくるわけではない。そんなことぐらい、皆も承知しているし、ユリも、そのあたりの自己制御は出来ている。皆が警戒しているのは、ご機嫌斜めな彼女のラスクに対する愚痴につきあわされることだ。せっかく、晴れ晴れとした素晴らしい一日だと言えるのに、どんよりとした気持ちにさせられるかも知れない愚痴につきあわされるのはごめん被りたい。
 それとなく、ユリの一挙手一投足に気を配り、自分に白羽の矢が立たないように心がける。そして、『触らぬ神に祟り無し』と言いたげなイヤな緊張感が教室を支配する結果に繋がる。
 とは言え、教室から出てしまえば、的にされることはない、という意識もあったのか、ユウなどは、気付かれないうちに、教室から抜け出そうとすらしている。 
――居心地悪いなぁ……
 表面上は、和んでいるのだが、氷水のように冷たい空気に、真っ先に当てられたのか、ルキアの表情が、所在なさげなものに変わっていく。 
「アロエちゃん……トー」「ルキア?」
 一刻も早く、この空気から逃れようとアロエを誘って、トーナメントに向かおうとしたルキアに、ユリの呼びかけが突き刺さった。
 その瞬間、教室に居残っていた男子勢が――無表情すぎるセリオスも、おそらくは――安堵の表情を浮かべる。ユウなどは、露骨なほどの安堵と驚きの混じっている表情で呆然と佇んでいる。
――よりによって、私?
 と、ルキアが、ユリを見返すと、三白眼、と呼ぶのが相応しい表情の彼女が、そこに居た。
「な、なに?」
「何処、いくつもりなの?」
「トーナメントに行こうかなぁ……って、思ってたんだけど」
「パジャマパーティ、付き合ってあげたよね? ポッキーゲームにも、付き合ってあげたよね?」
 どちらも、軽く三ヶ月は前の話だ。とは言え、渋るユリを口説き落として参加させたりした以上、それに続くだろう彼女の言葉をルキアは、予想したくはなかった。
「だ、だから、何?」
「私に付き合ってくれても、罰は当たらないよね?」
「そ……そうだね」
 頬杖をしながらも、冷たい笑みを浮かべて問い糾すユリに、ルキアは逆らえる気がしなかった。

To be continued... -> 『To the BORDER, It is 3 steps more.#5』

ダベリ

冒頭を読んで、「アレ?」と思った人。気にする必要ないです。わざとやってます。(マテ
ついでに、最近書き散らしたネタも早速、再利用してます。(ぉぃ
けど、十四人だけのクラス。誰か一人でも、ピリピリした空気を漂わせて戻ってきたら、それがあっという間に、全員に伝染してもおかしくないような気はするのよ。
って、セリオスやマラ様までそうなのか、って言うと……話は変わってくると思うけど。あ゛ー、でも、もう一人、ぐらい候補がいてもおかしくなかったんだよなぁ、と今更になって後悔してみるものの……その「もう一人」では、話を転がせそうにないんで、こっちに任せてみた、とこんな次第。
さてと、今日のところはこんな感じで。続きは、また明日。