#13・『To the BORDER, It is 3 steps more.』#3

はやいもんで、もう十三話目。……って毎日やってりゃ、二回目の週末には十三話になるよね。
ばかなこと言ってる閑があったら、ちゃきちゃき書いておかないと。


スタートは、06/12/04。おさらいは、いつも、と言うか、毎度のように00年2月4日に。
現在Part2というか、Part1-Section2ってところ。第1話へのリンクは、トップに……って、トップから消えてたらどうするんだろうね?(ぉぃ)
では、本文。

To the BORDER, It is 3 steps more.#3

<- 『To the BORDER, It is 3 steps more.#2』

 ラスクが常々踏みとどまることにこだわっているAランクのトーナメントは、魔導士の称号を持っている現在、そのバッヂの意匠ともなっているペガサスランクが相当する。
 このペガサスランク。所属する権利は、上級魔術士、大魔導士、賢者の称号を持つ生徒全員、つまり、昇格検定をクリアした者達全員に与えられている。それ以外にも、魔導士が賢者と呼ばれるに相応しい修練を修めたと認められる、つまり、昇格検定をクリアするために、所属することが要求されるランクでもある。
 とは言え、このランク。彼が初めての昇格検定後に所属していたユニコーンとは異なり、片手の指にすら余る数の大賢者や実力者が犇めく最上位ランク・ケルベロスから振り落とされた者達が、その実力・修練を磨くための場となってしまい、トーナメントの参加者が賢者のみであることや、少数の魔導士が賢者の中に紛れ込む、と言ったことが珍しくない、賢者昇格のための最後の難関との呼ぶに相応しい状況に陥っている。
 そんな状況下のトーナメントにあって、ラスクは、以前に、それほど得意というわけでもないアメジスト・フォートで、二人の賢者とともに、コンプリートスレイを達成した。この時、『同一撃破点の場合、低位階級者を優先して評価する』とのルールが適応され、二つ星のペガサス、つまり、大魔導士八級のラスクが、最低位であったために、セットトップの誉に与った。
 その事をタイガに指摘され、改めて、自分の未熟さを気付かされてしまったために、なかなか返事をすることができなかったのだ。
「それってな、ラスク。お前さんが負けることは、それほど珍しいことでもないって意味なんとちゃうか?」
 ラスクの心情を見抜いたからだろう。タイガは、『勝てて僥倖と思え』と言いたげに言葉を繋いでいた。
「でも……」
「踏み台にされるより、踏み台にすることの方が、確かに多かったからな。上級でユニコーンに居った頃から…… やから、踏み台に出来て当然、って思っとるところがあるかもしれへん」
 ラスクは、そんなタイガの言葉に焦りの原因の一方を見抜かれたような気がした。
「けど、それは、違たところで倍違うか違わんか、って回数での話や。今、お前さんが、Aランクで向こうに回す相手ってのは、倍違って少ない方。下手すりゃ、桁が違うって相手なんやろ?」
 ラスクは、カイルから貰った言葉が、タイガなりの形になって、自分のところに戻ってきたように感じた。カイルからかけられたときは、実感が伴っていなかったが、今、タイガから帰ってきた言葉を噛みしめると、イヤでも、聳える壁の高さ、その分厚さを実感してしまう。
 だから、言葉が出ない。ただ、頷くしかできない。
「気が楽になる、っつうか、なんて言うたらええんか、判らんけど、『負けて当然、戦い方を習う』ぐらいの気構えでもええんとちゃうか?」
「でも、ユリは」「お前はお前やろ?」
 さすがに、続いたタイガの言葉には、我慢できない部分があったのか、噛みつくような勢いのラスクの反論を、たった一言でタイガは、封じ込んだ。
「ユリみたいに、ゴリ押しできへんことを、お前自身が判ってることぐらい、お前さんが作った資料を見れば、よーわかるしな」
 タイガの言葉に、ラスクが複雑な表情を浮かべる。
「今は、負けて当たり前と思うとけ。そのかわり、できる限り、盗んでこい。諦めんかったら花は咲く……」
 と言いかけて、ラスクの顔を見て笑いながら、こう続けた。
「って言うまでもないな」
 タイガの行いの意味を理解してしまい、ラスクが真っ赤になる。そんな彼を見て、タイガも安心したように、問いかける。
「落ち着けそうか?」
「うん」
「んじゃ、ユリのご機嫌伺いにいくか」
「そうだね……」
 と、タイガに答えると、彼の後を追うように、ラスクも立ち上がった。

To be continued... -> 『To the BORDER, It is 3 steps more.#4』

ダベリ

説明長すぎですか、長すぎですね。orz
こう言うのがあるから、あっという間に、一つの線引きとしている、『四百字詰原稿用紙三枚分』ってのをサクッとオーバーするわけですよ。しかも、これを読んでいるだろう人には、必要ない説明な気もするしさ。orz

さてと、ラスクとタイガの方は、決着したって事にしておきませう。

どうでも良い報告として、現状のストックなどに触れてみると……あと十一話分有ったり。
クリスマスまでの更新は可能としても、年内に関しては、まだ心許ないんで、もう少し頑張ることにするです。はい。
んなワケで、今日のところはここまで。続きは、また明日。